強打磨き、雪辱果たす
間久里スネークスが悲願の初V―県内少年野球の頂点を決める「第18回埼玉県読売少年野球ウィナーズカップ大会」(読売新聞東京本社、埼玉県連合読売会、埼玉県野球連盟主催)が16、17の両日、さいたま市の県営大宮公園野球場で開かれ、決勝で「間久里スネークス」(越谷市)が「小針ヤンキーズ」(伊奈町)を4―2で破り、初優勝した。間久里は昨年の大会の準決勝で小針に4―8で敗れたが、その雪辱を果たすとともに、2018年の大会での準優勝を上回る成績を残した。弓削(ゆげ)靖監督は「やっと勝てた」と男泣きして喜びをかみしめていた。
大会には県内各地区の大会を勝ち抜いた8チームが参加。越谷市からは、「読売杯彩南東部少年野球大会」で2連覇した間久里と、「東武よみうり新聞社旗争奪少年野球大会」3連覇中で、前々回ウィナーズカップで優勝した「山野(さんや)ガッツ」の2チームが出場した。
間久里は、初戦で山野との越谷対決を7―6で制し、準決勝では川越市の「初雁フェローズ」(西部地区少年野球夏季大会優勝)を8―1で破って、決勝にコマを進めた。相手の小針(県北少年野球選手権優勝)は、大会常連の強豪だ。
間久里は一、二回、3人ずつで打ち取られたが、小針にも毎回安打を打たれながら得点は許さず、引き締まった展開となった。
試合が動いたのは三回表。間久里は一死から久野が死球、桒原(くわばら)が四球を選んで出塁すると、1番・横井が左越え二塁打、3番・佐藤が左越え三塁打を放ち、この回一挙3点を挙げた。
だが、その裏、小針に安打などで二死満塁とされ、2者連続四球で押し出しの2点を与えたが、何とか後続を抑えた。
1点差に詰め寄られた間久里は四回表、一死から7番・鈴木が左中間三塁打。追加点を挙げようとスクイズを敢行し、失敗したものの、多彩な攻撃を見せた。
さらに間久里は六回表、四球で出塁した小山がワイルドピッチ二つで生還、1点を追加した。
その裏、投手の小山が最後の打者を遊ゴロに仕留めると、桒原主将らメンバーがマウンドに駆け寄り、人差し指を天に向けて突き立てた。やっと勝ち取った勝利にメンバー、監督らみんなの顔が喜びの涙でぬれた。
ウィナーズカップに初めて出場した2018年は準優勝。昨年は準決勝で涙を飲んだ。今年は、同じ越谷市のライバル・山野と共に切磋琢磨(せっさたくま)して成長し、頂点をつかんだ。
好敵手いてこそ
間久里スネークス・弓削靖監督「やっと勝てた。昨年、小針には準決勝で負けているので、やり返したい気持ちが強かった。初戦で県内ナンバー1の山野と対戦した。彼らのおかげでライバルを追い続けられ、勝つことができた。どこが勝ってもおかしくなかった。桒原と村上、目立たない小さな2人の野球バカが引っ張ってくれた。優勝して久しぶりに泣けました」
念入りに対策
間久里スネークス・桒原念大(むねひろ)主将「うれしいの一言です。小針には少し前の交流戦で負けていたので、勝ててよかった。山野対策としてアンダースローに変えた。自分の球は慣れられている。それでは勝てないと思い、対策を練ってきた」
次は勝ちにいく
小針ヤンキーズ・伊藤文明監督「流れの中で攻撃的な野球ができなかった。相手投手陣はしっかり投げていて、簡単に打たせてもらえなかった。間久里は毎回いいチームを作ってくる。ウィナーズでは1勝2敗。次は勝ちたい」