「明和」と埼玉大が共同開発 産業フェスタで試乗会
越谷市東越谷の自動車部品メーカー「明和」(藤森正信代表取締役)が、埼玉大学大学院との共同研究で、車のアクセルとブレーキによる踏み間違い事故防止装置「オルガン式アクセルブレーカー」を開発し、販売を開始した。同社は2022年、初代の「アクセルブレーカー」を開発。その後も研究を続け、昨年秋に開発が終了。トヨタ・プリウスで1万1000㌔、同クラウンで4000㌔走行しても問題がなかったことから商品化に踏み切った。
この装置は、アクセル内の狭いスペースにカム方式とネオジム磁石を利用した遮断機能を内蔵し、磁石の長さを初代装置の3分の1にした。
「アクセルブレーカー」は、アクセルを強く踏み込むと磁石が外れて自動的にアクセル機能を遮断するもので、踏み間違えても大きな事故に至らない。電気のブレーカーと同じ考え方で、アクセルを強く踏み込むとブレーカーが作動し、踏み込めなくなるシステムだ。
安全サポートカーがセンサーやカメラなどで加速抑制をするのに対し、アクセル自体に遮断装置をつけて急加速を防ぐ。「吊つり下げ式」と「オルガン式」があり、埼玉大学と共同で日本、アメリカ、中国で特許を申請中で、第50回発明大賞にも応募した。
特徴は、通常走行には問題がない一方、遮断機能が作動する際には、足に衝撃と「カチン」という音が発生し運転者に知らせるため、理解しやすいことだ。また、原理が簡単で故障が起きにくく、コストも安価で済み、後付けが可能だ。
価格は、オルガンタイプ5万5000円、吊り下げタイプ5万2000円で、取り付け時間は約10分。軽自動車から、ハイエースまで幅広く取り付けが可能だ。
藤森社長は「高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違え事故を見るたびに胸が詰まる。装置をつけて事故を防止してほしい」と話し、「装置を世界の車に広げること」を目標に掲げた。
26、27の両日開かれる「こしがや産業フェスタ」では試乗体験コーナーが設けられる。「試乗体験の感想を聞き、商品の改善を図りたい」と藤森社長は意欲を見せた。試乗希望者は、事前申し込みが必要。
<問い合わせ>
(株)明和 ☎966・3551、FAX966・3557、メールfujimori@meiwa-net.com。