「私たちにできること」
児童生徒が安心して学校生活を送れるよう、草加市内の各中学校区の代表児童生徒が学校、家庭、地域でのいじめ撲滅に向けた取り組みを発表する「いじめ撲滅サミット」が8月21日、同市立中央公民館で開かれた。
サミットには各校2人の代表が参加。11グループに分かれ、中学生が中心となって、「誰一人取り残さないため、私たちにできること~学校での取り組みを通して~」をテーマに協議を重ねた。初対面にも関わらず、話し合いはスムーズに進行。同市教育委員会によると、「小中学生が自由協議する形式は全国でも珍しい」という。
その後、協議内容を基に、タブレットを使って、午後のサミット(全体発表)で発表する資料を作成した。サミットで動画撮影やアニメーションを取り入れた資料が披露されると、短時間で作成したとは思えない仕上がりに大きな拍手が起きていた。
瀬崎中学校区の協議をまとめた同中3年生の2人は「いじめ撲滅に向けて、日常のことを見直し、改善出来るのは良いこと」とし、「小学生の意見を聞き出すのは難しかったが、小学校の取り組みも大いに参考になった」と話していた。
午後のサミット冒頭、山本好一郎教育長は「子どもたちが導いた協議結果を大人も共有し、いじめをなくそうとする気持ちが市全体に大きく広がってほしい」と強調。山川百合子市長も「一人一人が大切な存在であることを否定するいじめを草加からなくし、『誰もが幸せなまち 草加』を実現していきたい」と述べた。
同サミットは2013年から開催され、今年で12回目。同市教委ではいじめ防止に向け、同年「草加市学校におけるいじめ防止等のための基本的な方針」を策定し、各校でも「学校いじめ防止基本方針」を定めた。また、匿名報告・相談アプリ「STANDBY(スタンドバイ)」を中学校全学年に導入するなど、いじめ問題の情報収集や早期解決に取り組んでいる。