草加・つなぐば 店を持てない人が活躍
草加市八幡町の「つなぐばシェアアトリエカフェ」で、店舗を持てない人や店舗があっても毎日は働けない人が、キッチンをシェアして飲食を提供している。ごはん係、お菓子係、カフェ係が毎日変わるため、内容も日替わりで楽しいと評判だ。夜だけ営業する飲食店をランチタイムに出店希望者が交代で借りて料理を提供するなどのシェアキッチンが全国に広がりつつあるが、それを先取りした形。ここで力を付け、自前の店を開業する人もおり、働くママの力になっている。
菓子工房「+Healthyおやつ時間」の中田亜希子さんは、管理栄養士の知識を生かして、体と心に優しいデザートを提供するお菓子係だ。取材日にはおから入り「ガトーショコラ」(580円)、米ぬかが入った「ミルティプリンタルト」(580円)、「抹茶とほうれん草のバスクチーズケーキ」(550円)、「メロンのパンナコッタ」(550円)を開店の午前11時30分に合わせて作った。自分の焼き菓子工房を持っているが、ここで働くのは小学校4年の子どもがいるためという。ここをシェアして5年目、「土日に娘を連れてきて、宿題をさせながら仕事ができるので今後も続けたい」。月3~4回、シェアしてる。
ごはん係の佐竹佐弥香さんは、「38Room」として洋食系の食事を提供している。自家製ラグーのラザニア、パテ・ド・カンパーニュ、キャロットラペ、いぶりがっこのポテトサラダなどにバゲットとスープがついて1200円。「笑顔になれる料理をモットーに、見てワクワクし食べておいしいものを提供します」。子どもが小さいため、月4回ほどシェアを利用している。「自分の店をゆくゆくという感じ。まだまだです」と現状を楽しんでいる様子だった。
カフェ係の菊地敦子さんは開店前から大忙しだ。金曜日には、獨協大学裏にあるパン屋「Pandy Bakery」のパンが入荷。米粉スイーツ「プチボヌール」のシフォンやカヌレなど焼き菓子の委託販売もこなし、その合間にカフェの注文に受ける。「ここは子育てしていても働ける。そういう思いを持った人が集まった場所」と話す。料理作家が作ったものを食べてもらいたいと、限定5セットで「つなぐばセット」コーヒー、デザート付きを1750円で提供している。
2階の子どもの遊び場によく来るという38歳の主婦は、「遊ばせた後、カフェでテイクアウトして家で食べる。自家製ラグーのラザニアはすごくおいしい」と持ち帰った。ランチに来た40代主婦は「カフェは3回目。毎日違うご飯が食べられるのでうれしい」。友人の女性(38)はネイルサロンを利用した後に「テイクアウトをよくします」と話していた。
ランチは「和食系」「洋食系」「創作料理・その他」の3種類。毎月の予定は、ホームページ(https://shareatelier-tsunaguba.com/)で見ることができる。「お菓子係とごはん係を募集中なので、やってみたい人がいたらぜひ」とカフェ店長の横澤博子さん(38)は話している。
<つなぐばシェアアトリエカフェ>
草加市八幡町935の4
☎︎948・8240
営業時間:火~木・午前11時30分~午後3時30分。
金、土・午前11時30分~午後5時
定休日:日、月、祝日