最新のニュース 草加市

草加/パンチの応酬制し王者に

草加の格闘家 星龍之介 選手

 草加市苗塚町の星龍之介選手(26)が6月16日、東京・後楽園ホールで開催された格闘技大会「ビッグバン~統一への道~其その49」のヘビー級タイトルマッチで、王者・木村太地選手に対し1R(ラウンド)2分14秒でKO勝ちし、第5代王者の座についた。3歳頃から空手を続け、3年前にキックボクサーに転向。昨年、2連敗を喫してからの王者奪取となった。チャンピオンベルトを巻いた星選手は「うれしさよりもホッとした」と述べ、「これでゴールじゃない。上を目指し続ける」と意気込んでいる。

王者を1R、KOで倒した星選手(右) (星選手提供)


 1R開始早々、積極的に攻めたのは木村選手だった。フックやローキックで攻めるも、星選手はジャブやローキックで対処。けん制し合う中、木村選手が膝蹴りを見舞ったが、星選手は逆にワンツー(2連続パンチ)でコーナーに追い詰め、右ストレートでダウンを奪った。だが、「木村選手はまだ闘争心に満ちあふれていた」と星選手。

 その後、パンチの応酬から木村選手は膝蹴りに活路を見いだすも致命打にならず、逆に星選手はステップしながら間合いを詰め、右ストレートで揺さぶる。パンチの応酬となったが、星選手の鋭い左フックがさく裂、2度目のダウンを奪った。


 鼻血を出しながら立ち上がった木村選手に対し、「仕留めにいこう」と思った星選手。左右のパンチをまとめてたたき込み、左フックでマットに沈めた。この瞬間、新王者の誕生に会場は沸いた。星選手は試合後のインタビューで、「昨年、2連敗し、いろいろ考えたが、皆さまのおかげで栄光を勝ち取れた。今回の結果に慢心せず、ベルトの価値を高められるよう己を高めていく」と述べた。

認定書やベルトを持つ星選手


 星選手は3歳の頃から父親の影響で伝統派空手を学んでいたが、9歳の頃、草加駅近くにできた極真空手の道場に父親とともに転向。2018年の「第35回全日本ウェイト制空手道選手権大会」で第3位。19年には「第12回オープントーナメント全世界空手道選手権大会」で6位に入賞した。

 22年4月にパワーオブドリーム(東京・足立区)所属としてプロデビュー。3連勝するも、昨年7月、初の国際戦で黒星。12月にも敗北していた。


 星選手は7月9日、草加市役所を表敬訪問。体調不良の山川百合子市長に代わって対応した高橋理絵副市長は、「多くの市民の声援を力に変え、さらなる活躍を」という山川市長の言葉を伝えた。星選手は「ここがスタート地点。今後は日本を代表する選手となり、海外の選手とも渡り合ってK-1本体のベルトを取りたい」と抱負を述べた。