道具や着替え場所も 居場所作りに一役
越谷市の冒険遊び場「越谷市プレーパーク」を市内各地で開催する際、移動型拠点施設として使う車両「わくわくこしがやカー」が7月6日、お披露目された。プレーパークは、通常の公園では禁止されている木登りや穴掘り、火を使った遊び、工具を使った工作などができる公園。7月から遊び道具などを積んで各地に出動し、子どもたちの多様な遊び場の提供と居場所作りに一役買っている。関係者は、目指してきた目標に一歩近づけると期待している。
プレーパークは「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに、禁止事項の少ない遊び場を通して子どもたちの自主性や創造性を育むのが目的。同市は2013年度から西大袋土地区画整理事業地内に「原っぱ公園」を開設し、プレーパーク事業を行ってきた。一昨年8月には、開催会場を越谷総合公園に変更して月に2回開催。04年から市内で独自にプレーパークを開催してきたNPO法人「越谷にプレーパークをつくる会」(渕野彩子代表理事)に事業を委託し、同会が毎回、子どもたちが安心して遊べるようにする「プレーリーダー」(講師)を派遣している。開催日は今年度から週3回に増えた。
渕野代表は「市内10か所でプレーパークを開催することで、私たちが目指してきた遊びあふれるまちに近づけるのではないか」と話す。
バン型車両は、同市が昨年度、複数の公園でプレーパークを開催できるよう購入計画を立てたもの。遊び道具が積まれるほか、休憩、授乳、着替えなどに使え、スタッフの勤務スペース、救護用スペースも設けてある。
越谷総合公園で行われた出発式と車両デザイン・愛称表彰式では、戸澗桜さん(9)、濱田真由莉さん(9)、菊実綾乃さん( 31 )が車両デザイン賞に選ばれた。戸澗さんは、「わくわくこしがやカー」の愛称と合わせてダブル受賞で、「うれしい」と喜んだ。濱田さんは「やりがいがあった」、菊実さんは「プレーパークの楽しさが伝われば」と話していた。
お披露目式では子どもたちが喜ぶサプライズも用意された。福田晃市長が「子どもたちだけでなく、大人も楽しんでもらえたら」とあいさつを終えると、用意されたのは水鉄砲。みんなで車両を覆った紙を狙って水をかけると、紙が溶けて車両が姿を現わした。趣向を凝らした新車両の登場に、子どもたちは大喜びだった。
3歳の息子と来た40代の母親は「子どもが外遊びが好きなので来た。今後は、年間カレンダーで車両の出動日を見て出かけます」と移動プレーパークに期待を寄せていた。