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草加/草加南高 個性光る〝推し本〟

図書委員選定の23冊 中央図書館に

 草加市内の県立高校4校の図書委員が〝推し本〟を紹介する第4期目の展示が10日から同立中央図書館で始まった。

県立高4校の推し本紹介で、最後を飾る草加南高の推し本コーナー(中央図書館で)


 4校のトリを飾ったのは草加南高校で、同校の大きなテーマは「推しは推せるときに推せ‼」。第164回芥川賞受賞作の「推し、燃ゆ」(宇佐美りん著、河出書房新社)のほか、「推し」「沼」「尊い」などの推し活用語や、「待って無理しんどい」「オタク全員好きなやつ」「実質無料」などのフレーズを英語にしてまとめた「世界が広がる推し活英語」(監修・劇団雌猫、学研プラス)など、「推し」という言葉が直接含まれた本を中心に、図書委員44人が23冊を選定。これまでと同様、3階特設コーナーの本棚に、推しうちわやペンライトなどを使ってアイドルのステージ風の飾りつけを行った。本にはオススメポイントや思わず読みたくなるようなコメントを書いたポップを貼付し、アピールしている。

みんなで悩みながら来館者の目を引くよう飾り付け


 図書委員長の同校3年、浅井小蒔さん(18)は「昨年10月に取り組みがスタートし、自分たちの番が来るまで長かった。今年度も図書委員ができるか心配だった」と前置きし、「図書委員は学校内でしか活動場所がないと感じていたが、今回の企画で図書館などの外部との関わりを持つことができ、大きな経験やモチベーションにつながった」と喜んだ。中心となって展示を進めた2年生の藤野友花さん(16)は「自分たちにしか出来ないことをやろうと考え、目を引くような工夫や趣向を凝らした。本を借りてくれる人が一人でも増えればうれしい」と笑顔を見せた。

棚の飾り付けが終わり、本の紹介やポップなどを設置


 同図書館司書の山中有沙さんは「高校生の感性などが光る推し本。市民がさまざまな本に出会えるといい」と強調。
 鈴木智美館長は「昨年10月の推し本企画スタート以来、楽しいという声をいただいている。また、同世代の若者だけでなく、今の高校生たちがどういう本を読んでいるのか気になると借りていく大人も多い」とし、「今後も継続して地域コミュニティーの場になれば」と述べた。

最後はみんなで盛大にアピール


 〝推し本〟は、読書離れが進む中高生世代に何とか本に親しむきっかけを作りたいと、同図書館が市内の県立高校4校に持ちかけてスタートしたコラボ企画。昨年10月、草加高校の「100年後の未来に届けたい本」を手始めに、草加東高校「私たちの世代は」、草加西高校「本との出会い」を経て、最後の草加南高校へとバトンが渡された。