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松伏/放水の腕前競う大会 女性消防団員初挑戦 

来月出場へ猛練習 男女混合 自ら志願 レッドエンジェルス 栁沼日祥さん

「小型ポンプ操法」に必要な鳶口(とびぐち)を構える栁沼さん
「小型ポンプ操法」に必要な鳶口(とびぐち)を構える栁沼さん

 松伏町消防団の女性消防団員で構成する「レッドエンジェルス分団」の栁沼日祥(ひさち)さん(24)が、7月27日に鴻巣市の県消防学校で行われる「第34回県消防操法大会」への出場を目指して猛練習を続けている。この大会は従来、男性消防団員が消火活動の速さや正確さを競う大会だが、女性消防団員の出場は初めて。栁沼さんは「男性と同じ土俵ですべてを出し切る」と張り切っている。
 消防操法大会は、消防団員がポンプ車や小型ポンプを使用して基本的な操作方法を習得するための訓練の一つ。ポンプやホースなどの器具操作を安全、確実、迅速、規律正しく行えるかを競う。種別は、可搬ポンプを使用した「小型ポンプ操法」と車両ポンプを使用した「ポンプ車操法」。松伏町消防団は、県消防協会吉川支部に属しており、2022年の前回大会では、吉川支部の三郷市消防団が出場し、小型ポンプの部で優勝を飾った。栁沼さんも小型ポンプの部に出場する。
 操法大会は女性だけの部門もある。だが、レッドエンジェルスからは出場メンバーが集まらなかったことから、栁沼さんは男性に混じって大会に出ることを志願した。これまで、同大会に女性が出場したことはないが、栁沼さんは日頃から男性と一緒に練習しており、「体力的に男性以上。規律もすばらしく、男女区別が要らないくらいの選手」と松伏町消防団第4分団のチームリーダー、田原和喜さん(54)は太鼓判を押す。大会で栁沼さんと組む上石隆弘さん(39)も、「節度(適切な動作や操作の区切りを守ること)もきれいだし、女性のしなやかさもある」と全幅の信頼を寄せる。
 「男女関係なく競技に出られるのはみんなのおかげ。今後、男女の壁がなくなればいい。女性が参加資格を得たことで、一歩踏み出せたと思う」と栁沼さんは喜ぶ。
 練習は、毎週水曜と土曜の夜に約2時間ずつ、松伏町役場で行っている。「男性の中に入るのは難しいが、男性に交じって出場する以上は、同等の技術をもって臨みたい」と集中している。目標は一昨年の全国大会で小型ポンプの部で優勝した福岡県新宮町消防団だ。田原さんの陣頭指揮で、みんなで映像を研究して、「超えていこう」と励まし合っている。スキルを高め、タイムを縮めることが最大のポイントだ。
 栁沼さんは「(操法で決められた)3歩しか進んではいけないところや座る動作、手の位置に気を付けて走るなど、規律に神経を払っていきたい」と話す。田原さんも「大会当日120%出せるように準備していきたい」とし、上石さんも「悔いのないように臨み、満足いく結果になればいい」と話している。

左から田原さん、栁沼さん、上石さん。
左から田原さん、栁沼さん、上石さん。