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三郷/75歳 投てき五種日本記録 マスターズ陸上

駒崎秀雄さん「夢は〝100歳で世界新〟を」

 4月7日に茨城県の石岡市運動公園陸上競技場で行われた「第64回茨城マスターズ陸上競技記録会」の投てき五種競技・M75クラス(75~79歳男子)で、三郷市彦糸の駒崎秀雄さん(75)が3,286点を獲得し、日本新記録を樹立した。2位に441点もの大差をつけての大記録を、競技開始わずか10年で打ち立てた。駒崎さんは「100歳で世界新記録を樹立するのが夢。そのためにも健康で長生きが必要」とさらなる記録更新に意気込みを見せている。

75歳で日本新記録を樹立した三郷市の駒崎さん
<マスターズ陸上>
競技成績に関係なく、生涯楽しく同年代の人々と100㍍走、100㍍ハードル、棒高跳び、三段跳び、やり投げ、砲丸投げなど幅広い競技が出来る陸上競技。競技クラスは5歳刻みで、5年ごとにクラス別の最若手選手となり、記録の更新や上位入賞のチャンスがある。

 投てき五種競技とは、ハンマー投げ、砲丸投げ、円盤投げ、やり投げ、重量投げの合計点で競う競技。駒崎さんの記録は、ハンマー投げ36・57㍍748点、砲丸投げ7・80㍍559点、円盤投げ31・33㍍692点、やり投げ27・11㍍560点、重量投げ13・23㍍727点だった。

 「自分の記録を更新できるのは自分だけ」。この先も自ら記録を塗り替えていくのが目標だ。そのため、健康でいつまでも競技を続けられる体力づくりをしていく考えだ。

 駒崎さんがマスターズ陸上を始めたのは10年前。退職を機に地域貢献をしたいという思いから、それまで高校体育教師や陸上部顧問としてスポーツに親しんできた経験を生かし、当時、会長を務めていた三郷市陸上競技会に「マスターズ陸上部門」を設け、自らも参加した。「健康寿命の延伸」、ひいては「医療費の削減」につなげたいという思いだった。

 現在、駒崎さんをはじめ、市内外から参加者約20人が大会出場や健康寿命延伸を目指して、毎週日曜日に三郷市陸上競技場(セナリオハウスフィールド三郷)や県立三郷高校の施設開放を利用し、活動を続けている。「メンバー全員100歳まで元気に❢」が合言葉だ。

 駒崎さんは中学卒業後、陸上の名門、春日部高校に進んで、やり投げと出会う。しかし、肩や肘を壊し、大会にはほとんど参加できず悔しい思いを味わった。恩師からかけられた「陸上競技を生かして未来を担う教員に」という言葉に胸を熱くし、「健康づくりを指導できる教員を目指そう」と埼玉大に進学。高校体育教師の道に歩むことを心に決めた。

 一方、1977年に東京の国立競技場で行われた日本陸上選手権大会に「十種競技」(1日目は100㍍走、走り幅跳び、砲丸投げ、走り高跳び、400㍍走。2日目は 110㍍ハードル、円盤投げ、棒高跳び、やり投げ、1500㍍走を順に競技する)の選手として出場し、6位入賞を果たすなど、陸上競技者として実績を重ねてきた。
 指導した高校生を何人もインターハイに出場させたほか、三郷市陸上競技場新設にも尽力。陸上競技の発展に貢献してきた。

 夢は「100歳で世界新記録樹立」。自分の記録や健康だけではない。地域の子どもたちにも気を配る。「目下の課題は、地域の人々が部活指導員となり、子どもたちの活動の幅を増やすこと」と話している。