最新のニュース 草加市

草加/世代超えて 食の楽しさを

草加に 「みんなの食堂」

 草加市谷塚西部地区(谷塚仲町、谷塚上町、両新田東町、両新田西町、遊馬町、新里町、柳島町)の住民たちで作る「谷塚西部地区第二層協議体」が4月11日から、同市の新里文化センターで、「みんなの食堂 つくしんぼ」(齋藤幸子代表)をスタートさせた。子どもから高齢者まで幅広い世代が交流できる場を作るとともに、孤食や偏食を防ぎながら地元の食文化を子どもたちに伝えていくのが目的。関係者は「食事で地域に笑顔を届けたい」と話している。

幅広い世代で交流しながら食事を楽しめる「みんなの食堂」

偏食、孤食防ぎ笑顔の町に

 この日はホールに机といすが並べられ、約50人の親子がカレーや副菜の「小松菜とベーコンのソテー」、デザートの「夏みかんのゼリー」に舌鼓を打った。小松菜と夏みかんは草加市産。地元農家の協力で実現できたメニュー。
 調理は、草加市食生活推進協議委員会(風間加津子会長)の丸野典子副会長(73)が調理責任者として腕を振るっている。子どもたちにも「おいしい」と好評で、おかわりをする子も多かった。

 食事前には同市立新里小6年の富井豪太くん(11)率いる5人のダンスチーム「シューティングスター」が、食事を準備してくれたボランティアの人たちに恩返しをとダンスを披露。食事後は本の読み聞かせの時間もあり、参加者たちは楽しいひと時を過ごしていた。

 この食堂は、同協議体の「地域つながり隊」(蓮沼清光会長)の事業の一つとして運営され、今後も毎月第2木曜日、同センターで開催する。対象は幼児から中学生までの子どもとその家族で、定員は50人。事前申し込み制。子どもは無料だが、大人が食事をする場合は1人300円が必要。箸やスプーン、飲み物、手拭き用のタオルなどは各自で持参する。

 きっかけは昨年6月、同センターで開かれた「子どもの問題を考える会」。この中で、児童・生徒が抱えているさまざまな問題の解決を図る専門職、スクールソーシャルワーカーが、谷塚西部地区にも不登校、ひきこもり、家族の抱える問題や課題などから、食事を十分にできない子どもたちが多くいると述べた。

 こうした指摘を受け、元々、子ども食堂のない空白地帯だったことや、核家族やワンオペ育児の親子をも支えられる場が必要との考えから、誰かと食事をともにし、コミュニケーションを取りながら食事をする〝共食〟の場として「みんなの食堂」の開設を決めたという。

 齋藤代表は「適切な量や質のよい食習慣の確立を図り、食卓でのコミュニケーションが豊かな人間形成の基礎を育むことを期待する」と述べ、「ボランティアの人数や運営費などの課題はあるが、運営が軌道に乗れば、受け入れ人数を増やしていきたい」と話していた。

 <問い合わせ>「みんなの食堂 つくしんぼ」事務局(草加キングス・ガーデン)の長野さん ☎︎048・929・0010。