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草加/思い出に残る卒業式に 谷塚小

リボン徽章 革で自ら制作

 草加市立谷塚小学校(菅野光三校長)で3月13、14の両日、6年生114人が卒業証書授与式で胸に付けるアクセサリー(リボン徽章)を革で制作した。

リボン徽章を制作する児童ら

 制作には「そうか革職人会」(伊藤達雄会長)が協力し、加工の工程で出た端切れを帯状に切り抜き、児童たちに配布した。革のカラーは茶色や黒のほか、黄色やオレンジ、ピンクなど全部で8種類。

完成したリボン徽章

 制作では同職人会副会長で「フィリカ」(同市谷塚上町)の富田典明社長ら2人が講師役を務めた。2人が児童たちに刻印の仕方などを丁寧に教えると、児童たちはプラ板やハンマー、打ち木を使用して、思い思いにイニシャルや装飾などを刻印。早く刻印が終わった児童はカシメで穴同士を連結し、リボンを完成させた。

 同職人会が草加市内で実施した「草加レザーフェスタ」に参加した経験のある上原紀乃さん(12)は「学校でも革製品を扱えるのが楽しかったし、卒業式に使うリボンを自分たちで作ったことで、卒業の実感がわいてきた。思い出にも残るし、大切にしたい」と喜んでいた。

 今回の企画は菅野校長が「普通のリボン徽章は卒業式のみの利用で、後に廃棄処分になる。記念にもなるような物が何かができないか」と市の産業振興課に持ちかけたのがきっかけ。年に5、6回、市内の小学校や高校で革製品のクラフト体験やエコレザー開発を行っている同職人会を紹介してもらい、今回につながったという。

自分の革徽章が出来て喜ぶ児童

 富田副会長は「地場産業である皮革製品に触れてもらい、知ってもらうことが一番。子どもたちに教える以上のことを学ばせてもらっている。卒業式後はキーホルダーとして長く利用してもらえるとありがたい」と話し、菅野校長は「せっかく草加市に生まれたので、地場産業を愛し、身近に感じてもらいたい。SDGsにもつながるので、今後も積極的に続けていきたい」と話していた。