春を告げる草加市の風物詩「松のこも外し」が5日、市委託の造園業者によって行われた。
例年、啓蟄のこの時期に「こも」を外して処分する。秋口に松の木に巻いた「こも」で越冬する害虫を誘い込み、駆除する昔ながらの方法。この日は雨の予報が出ていたため、作業は通常より早く始まった。松の木の地上1~1・5㍍ほどの位置にくくりつけた2本の縄をはさみで切り、素早く「こも」を外す。松並木の北側から順に「こも」を外していった。
造園業者の岩永正次さん(73)によると、「害虫の数は少なく、クモが潜んでいる程度。以前、木の洗浄を行ったが、谷古宇橋交差点付近の松は害虫被害より、排気ガスなどの影響による油膜の付着の方がひどかった」という。
遊歩道を散歩していた人々も足を止めて、こも外しの様子をスマートフォンなどで撮影し、春の訪れを感じていた。