草加市は市役所本庁舎1階ロビーに誰でも弾ける「ストリートピアノ」を設置した。8日からの運用開始に先立ち、4日、お披露目会が行われ、市役所の利用者ら約200人が美しい音色に聞き入った。
この日は市内在住の中学生ピアニスト、吉田蒼空馬君(13)がゲストとして招かれ、「献呈」「英雄ポロネーズ」「ムジカ・ナラ」など5曲を演奏した。吉田君は「音の響きもよく、弾いていて癒やされる音色。多くの人がピアノや音楽を通じて交流し、草加市が今以上に発展してもらいたい」と話した。
ピアノは予約不要、無料で、誰でも自由に弾くことができる。使用可能時間は平日の午前9時から午後5時まで。
同市文化観光課では「子どもから高齢者まで幅広い世代に音楽に触れてもらうことで、音楽都市草加として文化芸術の振興を図っていく」と話している。
このピアノは昨年、「草加市音楽都市宣言」30周年を記念し、「音楽(ピアノ)で草加市を盛り上げ、みんなを笑顔にしたい」と市内在住の匿名の男性から贈られた寄付金で購入したもの。男性は「このストリートピアノで練習し、市内から数多くのピアニストが輩出されることが希望。特徴ある市政やまちづくりの一歩となればありがたい」と話していた。
上質な音色を奏でるヤマハ製のトランスアコースティックピアノで、ロビーのスペースを圧迫しないよう壁に付けて設置されている。アップライトピアノで、趣味でピアノを弾く人や、ピアノを始めたばかりの初心者にもお薦めという。
公共の場に置かれ、許可なしに弾ける「ストリートピアノ」は「街角ピアノ」とも呼ばれ、各地で広がっている。県内ではさいたま市、川口市、所沢市などに常設され、県南東部でも期間限定で設置されたことがある。