買い物、人との交流機会に 谷塚西部地区
スーパーなどへの交通手段が限られ、買い物に困っている高齢者を手助けしようと、草加市谷塚西部地区で昨年４月から｢買物地域つながり隊｣が活動している。地域のデイサービス送迎車を使用していない時間に借りて、高齢者をスーパーまで送迎している。同市内では初の試みで、利用者からは｢買い物が便利で楽しい｣と好評だ。
買い物支援に取り組むことに決めたのは、谷塚西部地区(谷塚仲町、谷塚上町、両新田東町、両新田西町、遊馬町、新里町、柳島町)の住民による｢谷塚西部地区第二層協議体｣。これまで高齢者が安心して暮らせる仕組み作りなどについて話し合ってきたが、その中で、買い物に不便を感じている人を対象に送迎車を提供すれば必要なものを購入でき、人との交流の機会も持てて生活を活性化できるというアイデアが生まれた。
実施は第２、４木曜の月２回。費用はガソリン代、保険代などを含め１回100円。買い物に困っている65歳以上の谷塚西部地区の住民で、身の回りのことが自立している人なら誰でも申し込める。
送迎は、同市遊馬町の高齢者福祉施設｢草加キングス･ガーデン｣(栗原基施設長)のデイサービス送迎車を使用していない午後２～４時頃に借りて行っている。１便の利用者宅を回って、同市谷塚上町のスーパーベルクス草加谷塚店に送り届ける。買い物をしている間に、２便の利用者を迎えに行き、スーパーに降ろすと、入れ替わりに１便の人を乗せて家に送り届けるという具合だ。各便５人ずつ乗車できる。
買い物時間は、30分程度だが、利用した合田通子さん(82)は｢見て買うのは楽しい。月２回だから悪くならないものを買っている。ただ、見ているうちにたくさん欲しくなる｣と笑う。免許を返納した島崎郁夫さん(82)は｢妻の体調がよくないので、料理しなくて済むものを買っている｣と楽しそうだ。土澤律さん(85)は、｢頼りにしている。いつもはバス利用だが、送迎の日は米や果物、しょうゆ、牛乳など重いものを買うことにしている｣とカゴをいっぱいにしていた。また、スーパー内では、ボランティアが利用者を手助けしている。
送迎した栗原施設長は、｢予想以上に喜んでもらえてうれしい。今後も地域の人たちの活動をサポートしていく｣と話していた。
年間経費寄付募る
ただ、送迎サービスには年間15～20万円ほどの経費がかかる。このため、｢買物地域つながり隊｣では、賛助会員加入(１口1000円)や寄付を募っている。
＜問い合わせ･申し込み＞買物地域つながり隊事務局＝草加キングス･ガーデン内(担当ながのさん)☎929･0010。＜賛助会員･寄付の振り込み先＞瀧野川信用金庫草加南支店、店番018、普通口座、口座番号0040766、口座名義･買物地域つながり隊。