最新のニュース 草加市

草加/けが越え勝利へ強い思い 女子フェンシング 

課題克服し躍進 大高姫菜選手

女子エペ(カデU-17)ランキング暫定1位の大高さん
女子エペ(カデU-17)ランキング暫定1位の大高さん

 草加市在住の女子フェンシング選手、大高姫菜さん(16)(浦和実業高校1年)は、世界を相手に戦うアスリートだ。
 昨年2月にウズベキスタンで行われたアジアカデ大会ではU-17団体3位、4月の世界カデ選手権ではU-17個人23位となった。昨年前半はけがに悩まされ、一時、スランプに陥ったものの、11月の長野県での全国カデ(U-17)選手権で優勝、復活を予感させた。大高さんは「今年もアジア選手権と世界選手権に行く!」と練習に励んでいる。
 「勝ちたい」という気持ちが強くなったのは、全国選手権の約1か月前だった。昨年4月に高校入学後、左足を「シンスプリント( 脛骨=けいこつ=過労性骨膜炎)」と診断され、思うような練習ができず、結果も出ず、痛みとの戦いが続いていた。すねの内側にある脛骨の下方に鈍痛が発生する症状。つま先を上げる時に使う筋肉を過剰に動かすことで起きるもので、フェンシングの攻撃時に痛みが走る。「ズキズキ痛い。体重をかけたりすると特に。私はフットワークを使って勝つプレースタイルなので、足が使えないと致命的」。焦りが募った。だが、時間とともに痛みが薄れていくと、持ち前の気の強さが戻ってきた。
 全国選手権優勝でようやく長いトンネルを抜けた。「今年初めてやりたい動きができた」。大会前には練習時間を増やし、抜いていた朝食も取るようになった。学校から戻ると、母手作りのおにぎりを2つ食べ、練習後には夕食もきっちり食べる。トレーナーのアドバイスで、食べる量を増やして筋肉を増やすことも課題だ。「国際大会で課題がたくさん見つかった。海外の選手は手足が長く身長も高くて、足を使ってくる。体を強くしてフットワークを改善しないと勝てない」からだ。
 世界大会出場にこだわる理由の一つに、同い年の韓国選手との交流がある。昨年の世界大会で海外の選手と交流した際に親しくなった。大高さんは韓流ドラマやKポップが好きで、韓国選手は日本アニメ好き。今ではインスタグラムを通して「一緒に世界大会に出よう」と約束する仲だ。
 全国選手権優勝で、女子エペ(カデU-17)ランキング暫定1位に立った。次は、今月6日のJOCジュニアオリンピックカップに照準を合わせる。アジア大会、世界大会を目指し強豪がそろう。「ランキング1位を落としたくないので優勝を狙っていく」。
 同大会は通常の大会の1・5倍のポイントが加算される。けがの様子を見ながら、筋トレを中心に週5回の練習をこなしている。「韓国の友人と会うためには勝たないと」と決意を強くしている。