自動車レース映像目指す 大袋中3年 川田和輝さん
昨年10月に韓国で行われた「FAIドローンレース世界選手権大会」に日本代表(ジュニア枠)として出場した川田和輝さん(14)(越谷市立大袋中学校3年)は総合3位となり、銅メダルを獲得した。今年は夢であるドローンを使ったモータースポーツカメラマンに向かって羽ばたくつもりだ。
ドローンレースは、ドローンを定められたコースで飛ばし、タイムを競う競技。操縦者はゴーグルなどを装着し、ドローン搭載のカメラから送られてくる映像を見ながら、まるでコックピットに乗っているような「FPV(1人称視点)」で操縦する。ゲートやフラッグなどの障害物で構成されたコースを、時速150キロ以上で飛行するスピード感が特徴だ。「鳥になった気分で飛ばせるところが魅力」と川田さんは言う。
ドローンに興味を持ったのは小学2年の頃。「初めてでこんなに上手な子はいない」と驚かれ、すぐにハマった。2017年から「ジャパンドローンリーグ」に参加。18年にプロクラスに昇格し、19年には国際大会に日本代表として出場するなど、破竹の勢いでトップへの階段を駆け上がってきた。
昨年の世界選手権もポイントを積み重ねて出場権を手にした。「海外の人たちと交流でき、いい経験になった」。ただ、レースでは大きなミスも。コース最後に上から下に入る櫓やぐらでドローンがぶつかり、飛べなくなったのだ。結果は3位だったが、メダルをもらう時、「本当に僕がもらっていいのかな」と思うほど悔しさを味わった。
昨年は大会と並行して、ドローン撮影を経験した。母校の大袋東小学校創立50周年記念の撮影もその一つ。
「1年がかりのプロジェクトで、大会と並行してできるか心配だった。レースになると毎日練習しなきゃいけない。出られない子もいるから、和輝に強く当たることもあった」とサポートしてきた父親の哲也さん(47)は振り返る。
知り合いの紹介で、どうしても撮りたかった車のドリフト走行の撮影も経験できた。「車が好きなんです。走っている車を撮るのは難しいけど、映像をあげるとメチャクチャ喜んでくれて」。
4月からは通信制の角川ドワンゴ学園S校に通う。ドローン撮影をしながら学業を続けるためだ。「この1年、今までより成長できた。この経験を基に、ドローンを使ったモータースポーツカメラマンを目指して頑張りたい」と目を輝かせている。