年末年始に向けで警戒呼びかけ
吉川警察署(江田浩之署長)は11日、三郷市の「ららぽーと新三郷」で自動車盗難防止のキャンペーンを実施した。
同署管内では今年に入って自動車盗難が頻発し、県内ワースト1になったためで、江田署長は「年末年始に向けて深夜帯も捜査を強化している。夜間に不審者や不可解な動きをする車を見かけたら警察に一報を」と訴えた。
会場には、自動車盗難を〝実演〟するためワイヤーフレームの車を展示。署員が、窃盗団がよく使う「リレーアタック」や「CANインベーダー」などの手法を説明した。
その上で、対策としてはハンドルやタイヤを固定する「ハンドルロック」「タイヤロック」の使用や、自宅に置いてあるスマートキーから出ている微弱電波を悪用されないよう、電波を遮断できるキーケースや金属製の缶に保管することを勧めた。署員は「盗むのが大変と感じさせることが対策につながる。防犯グッズは車両の形状などによって異なるので、合ったものを使用して」と呼びかけていた。
講話後は、自動車盗難や県内各地で横行している自転車盗難に関するクイズ大会を開き、勝ち残った10人にハンドルロックをプレゼントした。
同署管内では今年1月から10月末までの自動車盗難件数(認知件数)が64件と、昨年同期比で33件も増加。特に4月に10件、9月に11件、10月に18件と2桁を超え、深刻な問題となっている。
特にトヨタ車に被害が集中しており、アルファード23件、ランドクルーザー(プラドを含む)15件、以下、レクサスLX、レクサスRXと続く。悪路走行が可能な4WDなど、海外でも人気が高い車種が狙われているのではと、同署では分析している。
被害の約7割が自宅敷地内や月決め駐車場で発生。周りから見えるように駐車してあるにもかかわらず、人が寝静まった深夜帯に盗まれることが多いという。
手法としては、スマートキーから出ている微弱電波をリレーして車のロックを解除する「リレーアタック」が今も続いているほか、最近は「CANインベーダー」が横行している。バンパー外側から専用の機械を接続して、車を制御するコンピューターに不正侵入。ドアの施錠を解除したり、エンジンを始動させるなど、車を自由に操って盗む手法だという。