シンポジウムで継続的支援を訴え
吉川市内で活動する3つの子ども食堂の代表らが、現状や将来像などについて意見を交わす「子ども食堂シンポジウム~このまちの未来に向けて」が11月16日、吉川中央公民館ホールで開かれた。
3食堂が「吉川地域食堂ネットワーク」を設立して、食堂の開催日が重ならないよう曜日をずらしたり、市や市社会福祉協議会と密接に連携して寄贈された食料を3食堂でうまく配分したり、郵便局に食料を集める「フードポスト」を設置してもらう独自の取り組みは、「吉川モデル」として評価されている。各食堂は、「子どもの居場所として大事」「高齢者など、どの世代も気軽に来られる」などと、子ども食堂の重要性と継続的な支援を訴えた。
このシンポジウムは吉川青年会議所(大村仁也理事長)が創立45周年記念事業として開催。「みんなの食堂ころあい」の松本亜季さん、「みんな食堂たんぽぽ」の伊東壽恵さん、同会議所理事長でもある「よつば食堂」の大村さんと、同市子育て支援課の桜井健一課長や同市社会福祉協議会の山崎純子事務局長が参加し、認定NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」のプロジェクトリーダー、山角直史さんが進行役を務めた。
「ころあい」(吉川団地1街区7号棟107、福祉楽団地域ケアよしかわ)は設立10周年と歴史が古い。毎週月曜と水曜の午後4時30分~7時に開いている。「たんぽぽ」(吉川625の1)は2番目の設立で、毎週土曜の午後5~7時。会食ではなくお弁当を出している。「よつば食堂」(川野75の2)は同会議所の事業としてスタートしたもので、毎週金曜午後4~7時。いずれも無料で、子どもだけでなく保護者や高齢者などどんな年齢の人でも利用できる。食材は寄付でまかなわれ、ボランティアが調理している。
子ども食堂の役割について松本さんは、「小学校になかなか行けなかった子が、うちの食堂で『ここにいていいんだ』と思うようになり、中学を卒業できたと手紙が来た。食事の提供もだが、子どもの居場所であることが何より大事」と強調。伊東さんは「利用者が2、3年たつとボランティア側に回ることが多い。お互いさまの関係」と話していた。
山角さんは、「全国では月1回という食堂が多いが、毎週で、しかも3食堂が曜日を分けているのがすばらしい」と指摘。大村さんは「3つでうまくすみ分けができている」と述べた。山崎事務局長は「ネットワークを立ち上げたのがよかった」とし、桜井課長も「互いに顔の見える関係を築けた」と強調した。