草加市の国指定名勝「おくのほそ道の風景地 草加松原」で8日、冬の風物詩「松のこも巻き」が行われた。
害虫が越冬のため松の樹皮の隙間に潜り込むのを防ぐため、わらで編んだ「こも」を巻き、誘い込んで駆除する、江戸時代から伝わる害虫駆除法。
「こも」は来年3月5日の啓蟄の日に取り外して焼却処分する。
こも巻きは毎年、立冬の日に実施。市が委託した造園職人が遊歩道の北端から南へと移動しながら、松の木の地上1~1・5㍍ほどの位置にこもを巻き、上下2か所を縛っていった。散歩の足を止め、作業に見入る市民も多かった。
造園業者の岩永正次さん(73)は「例年駆除しているので、害虫はだいぶ少なくなった。これまでの成果が出ている」と話していた。
松並木は1792年(寛政4年)に植えられたとされ、草加のシンボルとして親しまれている。1・5㌔にわたって634本の松が植えられ、「日本の道100選」にも選ばれている。