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草加市/車椅子用駐車区画 障害者が青色に

適正な使用呼びかけ

 草加市役所本庁舎の地下駐車場で先月21日、障害者らが「車椅子使用者用駐車区画」の塗装作業を行った。今月1日の「埼玉県思いやり駐車場(パーキング・パーミット)制度」導入を前に、障害者自ら作業することで、制度を市民に知ってもらおうという狙い。この制度は障害者や要介護高齢者、妊産婦など歩行が困難な人に利用証を交付することで、不適切な駐車を防ごうというもので、障害者らは「駐車場の適正な利用を」と呼びかけている。

塗装の仕上げを行う障害者と山川市長(右から3人目)ら

草加市 妊婦らへ優先の利用証

 車いすユーザーのための駐車スペースは「バリアフリー法」で設置が義務付けられているが、健常者が勝手に車を止めてしまい、必要な人が止められないケースが各地で頻発している。このため、歩行が困難な人に利用証を交付することで、正当な利用者がはっきりわかる「パーキング・パーミット制度」の導入が全国の自治体で広がった。埼玉県では県福祉のまちづくり条例改正を経て、今月1日から「思いやり駐車場制度」という名称で開始した。

 この日、塗装作業に参加したのは、自立訓練・就労移行支援を行う障害福祉サービス事業所「キャリカ草加」(松岡広樹代表理事、同市中央1)の利用者4人。このうち3人は塗装会社「アークス」(下田昌孝社長、同市手代)の元実習生だが、塗装作業は未経験のため、1時間早く集合して本職の塗装職人から指導を受けた。
 塗装を担当した車いすマークのついた区画は、事前に下地処理や下塗り、マスキングなどが施されており、障害者たちは青の塗料をはけでひと筆ずつ丁寧に塗り進めた。

 途中で山川百合子市長も加わり、「塗る時にダマにならないコツ」などを聞きながら一緒に作業し、1時間ほどで終了。その後、塗装職人が2度目の塗装を行い、2日間乾燥させて完成した。障害者たちが担当しなかった「優先駐車区画」の塗装は職人が行った。

 今回の作業にかかった費用は約80万円。「アークス」が地域貢献活動の一環として寄付した。
 「アークス」の下田社長は「障害者の活動を通じて、優しさや思いやりの輪が広がることを期待する」と述べ、現場を担当した鈴木遥部長代理は「障害者が安心して暮らせるまちづくりに生かしてもらいたい」と話していた。
 また、山川市長は「制度を知り、適切に利用してもらえるよう周知していきたい」と述べた。

 草加市内で同制度の対象となる駐車場は市役所、市立病院、公民館・文化センター、体育館など44施設107区画で、うち「車椅子使用者用駐車区画」が43施設76区画、「優先駐車区画」が19施設31区画。
 制度を利用する場合は市役所窓口で申請する(区分により申請・交付窓口が異なる)ほか、県の電子申請システム、郵送などで申請し、発行される利用証を駐車時に外から見えるようルームミラーなどにかけて利用する。詳細は市や県のホームページ(https://www.pref.saitama.lg.jp/a0601/parking_permit.html)で確認できる。