「終活」の根岸さん 最後まで自分らしく
本紙連載「明日への終活」でもおなじみの「終活サポートこしがや」代表、根岸幸徳さん(67)が、ミドルシニアに向けて、「終活」ならぬ「いき活」の講座を開いている。自分が死んだ後、家族や親族が困らないように準備をするのが「終活」なら、人生100年時代を迎え、最後までいかに自分らしく生きるかが「いき活」。毎回、人生のヒントを求めて、多くの中高年や高齢者が集まる。根岸さんは「チャレンジすることこそ後悔しない人生を送る最良の方法」と話している。
8日、越谷駅前の越谷市市民活動支援センター活動室では、根岸さんが約30人の参加者を前に、「後悔しない人生にするために『いき活』のすすめ」と題して講演した。
100歳以上の人口は、現在の約9万人から2050年には100万人超に増えると予想されている。人の手を借りずに生活できる「健康寿命」も世界一。残る長い人生を後悔しないように生きることがますます大事になっている。
米国の調査会社が80歳以上の人を対象に「人生で最も後悔していることは?」と尋ねたところ、7割が「チャレンジしなかったこと」と答えたという。「うまくいかずに失望することはあるが、本当に後悔するのは何もしなかったこと」と根岸さんは言う。
では、チャレンジする人生とは?―「本当にやりたいことを探り、それを目標として行動する」、「目標設定は達成できるとイメージできるものにする」、「目標を達成することが大事ではなく、チャレンジするプロセスを楽しむことがポイント」だという。
やりたいと思ったことはあまり考えずに、とにかく一度やってみる。身近にできることから始める。ただし、「Must」(しなければならないこと)はダメで、「Want」(したいこと)をやる。「一番大切なのは、今を楽しめる自分になること」だと強調した。
実は根岸さんは昨年1月、難病と診断された。それ以前から「いき活」を考えていたが、診断以降、「いき活のトップランナー」になろうと考えたという。
講座では、「いき活」を支えるための個別課題についても、専門家の講演を行っている。この日はフィナンシャルプランナーの秋山芳生さんが「老後資金の作り方」について解説した。人生に必要なものは「勇気、想像力、そして少しのお金」という喜劇俳優チャップリンの言葉の通り、良い人生を送るためには金銭的な支えも必要との考えからだ。
次回の講座は11月5日午後2時から4時30分まで同センターで開く。相続コンサルタントの中野丈明さんが「貴方(あなた)が逝く時に大切な人に何を残しますか?」、宅建士で空き家活用のプロ、舟橋裕二さんが「空き家を相続する前に知ってほしいこと」について講演する(根岸さんの講演はない)。会費500円。定員25 人。
根岸さんは、「残された人生をいきいきと豊かなものにアクティブデザインするのが『いき活』の主要テーマ。人のためでなく、自分のためにやること」と話している。
<問い合わせ>「終活サポートこしがや」の根岸さん☎090・8046・6985。