乳幼児に対する救急救命の方法を学ぶ講習会が4日、松伏町中央公民館で行われ、同町の女性消防団「レッド・エンジェルス」のメンバー5人が3人の母親を指導した。乳幼児の救命救急は特別な注意が必要で、3人は真剣な表情で学んでいた。
同町民生委員・児童委員協議会の児童すこやか部会が「子育て支援事業」として主催した。
講習の柱は「119番通報」「心肺蘇生」「役立つ知識」の3つ。まずは、乳幼児が事故などに遭った際、119番通報して情報を正しく伝える方法。続いて、電話口の消防職員の指示に従って行う救命措置の実技体験を行った。
乳幼児が心肺停止した場合に行う胸骨圧迫(心臓マッサージ)は、「キツネ指で圧迫するように」と指導された。手でキツネの形を作り、その中指と薬指をに押し当てる。大人に対するように両手で行うと、乳幼児には強すぎるためだ。空気は鼻と口を自分の口で覆って吹き込む。胸骨圧迫30回で空気を2回吹き込む。
AED(自動体外式除細動器)は、乳幼児の体が小さいので、心臓を挟むよう胸と背中に電極パッドを装着する。注意点は、湿布などが貼ってあると薬剤でやけどする恐れがあるので、必ず拭き取ること。体がぬれていると電極パッドを貼れないので、水気を拭き取ること。ペースメーカーがある場合は、そこを避けて装着することだ。
最後は、災害時にできることや、簡易トイレや簡易おむつの作り方などを学んだ。
「AEDがあっても使い方を知らないと意味がない。子育てに役立つことを勉強してもらいたい」と、主任児童委員の萩原裕佳里さん(61)は講習会の意義を強調した。迅哉君(2)と参加した塚田百代さん(35)は「すごく勉強になった。(知識がないと)いざという時、動けない。災害の準備もしようと思う」。尚ちゃん(1)の母親、川島陽子さん(31)は「事故が起こったらパニックになる。そうならないためにも受講してよかった」。魁志君(1)を連れた橋本那恵さん(28)は「AEDに触れたことがなかった。何かあった時に役立つといい。受けてよかった」と、3人とも満足そうな面持ちだった。
「中身が濃かった。細かいことも忘れることもあるので、毎年、続けていく」と同協議会の明戸恵子会長(71)は話していた。
松伏町/母親が〝乳幼児救命〟学ぶ 女性消防団が指導