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社員向け化粧品を一般に 越谷の卸売り会社

高品質で商品化、販路拡大

化粧品などを手にする「It's more」の社員ら
化粧品などを手にする「It's more」の社員ら


 従業員用の〝まかない化粧品〟としてスタートした越谷市の化粧品卸売りメーカー「It’s more(イッツ・モア)」(越谷市蒲生寿町7の41の1、名倉潔代表取締役)が通信販売開始20周年を機に、倉庫での直売や取扱店の募集、さらに越谷駅前の「ガーヤちゃんの蔵屋敷」での販売を開始し、販路拡大に乗り出した。
 高級化粧品の製造工場が社員や家族向けに、肌荒れや乾燥肌にいいクリームをコスト度外視で製造したのが始まり。それが口コミで広がって商品化され、会社設立につながった。
 当初は保湿クリームや化粧水だけだったが、周囲からのアドバイスで、シャンプーやコンディショナー、石けんや日焼け止めなどに種類が増えていった。シャンプーやトリートメントは美容室に卸している。
 高級化粧品工場から生まれたクリームは、5種類のビタミンとスクワランが含まれ、肌の「うるおいを生み出す力」をサポートするという。
 社員の和久田育子さん(53)は、「以前はブランド品を使用していたが、それより塗り心地がいい。使っていて肌のトラブルがない。乾燥時期でも口の周りとかがカピカピにならない」。山口加奈子さん(47)は「ヘアケアが好きで、サロンでトリートメントをしなくて済む」と言う。20代で入社した菅咲弥香さん(40)は、「年齢とともに良さを実感している」と話す。もともと社員向けだっただけに、社員も製品を実際に使用し、企画、販売につなげている。
 理美容師だった名倉さん(62)は「創業当時、窓口もパソコンもなく、宣伝方法も手探りだった」と話す。宣伝費や大きな店舗を持たない分、コストを化粧品の品質に回してきた。今回の販路拡大は新しいものへの挑戦だ。ただ、高級化粧品工場で作られる、とっておきの商品を提供するという軸はぶれない。
 「今後も品質を大切にした化粧品を通して、皆さまの笑顔づくりに貢献したい」と名倉さん。直売店(住所は会社と同じ)では配送手数料がかからないため10%オフ。さらに毎月第1・第3水曜日は30%オフの特売日を実施している。
 受付時間は午前9時~午後5時。土日祝定休。
 ☎フリーダイヤル0120・761・765。