衰え防止をアドバイス
埼玉県立大(星文彦学長。越谷市三野宮)で8月29~31日の3日間、大学周辺の地域住民を対象にした体力測定会が行われ、約85人が「脚の健康チェック」を受けた。
理学療法学科の山﨑弘嗣教授(48)、木戸聡史准教授(44)、小栢(おがや)進也准教授(43)の指導、大学院生や学生ら約15人が測定に当たった。
参加者はお腹や膝の筋力を測定したり、握力や敏しょう性を調べたりするなど7種類のテストを受けた。
注目されたのは、横になってなるべく早く起き上がったり、できるだけ大股で2歩歩いたりする様子をAI(人工知能)カメラで撮影・分析し、脚の力の衰え具合(ロコモ度)を調べるテスト。記者も試してみると、同年齢の平均より低く、脚の力が衰えてきていると指摘された。
膝のひねりを調べるテストでは、体の片側にマーカー25個を付けて半円状のライン上を歩く様子を赤外線カメラ4台で撮影し、脚がどう動いているかを調べた。
さらに別のテストでは、動きを感知する高性能のモーションセンサー2個を脚につけて普段通りの歩き方で測ると、生成AIの「チャットGPT」が同年代の平均と比較するなどして採点してくれた上、評価コメントやどういうトレーニングをするといいかまで提案してくれる。参加者はAIが評価や提案までしてくれることに驚いていた。
参加者は最後に、すべてのテストの結果をもらい、山﨑教授らに「脚の衰え防止にはどんな運動がいいですか」「どの筋力を鍛えるのが効果的ですか」などと相談していた。
同市恩間から夫婦で参加した主婦の大月フサ子さん(71)は「去年より測定内容が一段とパワーアップした感じで驚いた。結果は去年より悪くなっているものもあったが、今後どういう対策をするといいかということも先生から聞けたので、これからも毎年参加して健康管理に役立てたい」と喜んでいた。
この測定会は、「開かれた大学」を目指す同大が「地域産学連携センター」の事業として一昨年冬から開いているもので、今回で3回目。住民の多くは1回目から参加しており、脚の状態の変化を知ることができると好評だ。
小栢准教授は「普段元気な方を対象に脚の検査をすることは少ないので、こうした機会を活用してほしい」と話していた。