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観光客誘致にバスツアー 越谷市観光協会 

日本庭園「花田苑」を散策する人たち
日本庭園「花田苑」を散策する人たち


 一般社団法人越谷市観光協会は4月22日、初めて企画したバスツアーを開催した。神社を参拝し、バーベキューを味わい、観光農園でイチゴ狩りを楽しむ盛りだくさんの内容で、市内外から参加した36人が「越谷観光」を満喫した。「イオンレイクタウン」などには県外から訪れる客も多いが、市内観光をする人は少なかった。ツアー実施によって観光が容易になり、同協会では「文化財やグルメなどをツアーにすることで、観光客を呼び込めそうだ」と今後の定期開催に手応えを感じている。

バーベキュー、イチゴ狩り 初の試みに手応え

バーベキューを楽しむ参加者たち
バーベキューを楽しむ参加者たち


 バスツアーは「越谷めぐりとバーベキュー&いちご狩り日帰りの旅」と題し、同協会が事業として企画。旅行代理店の「東武トップツアーズ」(本社・東京都墨田区)が実施した。大人5000円、子ども(小学生)4800円、3歳以上の未就学児は1100円と格安なこともあり、3月に集客したところ2日間で定員が埋まった。
 同市には大型商業施設「イオンレイクタウン」があり、休日は買い物客らで混雑するが、それ以外の場所で観光する人はほとんどいない。また、冬~春には観光農園「越谷いちごタウン」のイチゴ狩り客も多いが、食べ終えたら帰ってしまい、「越谷を観光してもらう」のは課題だった。
 同協会ではレイクタウンの大相模調節池前でバーベキュー場を開設。コロナ禍で「遠出しなくても屋外で楽しめるレジャー」として人気となり週末はにぎわう。だが、「まだレイクタウンでバーベキューができることを知らない人もいる」(同協会)と、「越谷の魅力を知ってもらおう」とツアーを企画した。
 当日は好天に恵まれ、東武スカイツリーライン「越谷駅」前からバスが出発。ガイドは同協会の観光ボランティアガイドが務めた。
 まず同市越ヶ谷の「久伊豆神社」を参拝し、咲き始めた県指定文化財の「藤」も楽しんだ。隣接する「アリタキ植物園」では、市天然記念物の北米原産「ラクウショウ」や、幹周り4メートル以上の巨樹「シナサワグルミ」などを観察した。
 今年のNHK大河ドラマ「どうする家康」にちなみ、徳川家康と越谷の関係をガイドが紹介。家康が鷹(たか)狩りで宿泊所にした同市相模町の大聖寺(だいしょうじ)前では、同寺に家康が与えたかいまき布団「夜具」(市文化財)があることを紹介した。
 旧東方村中村家住宅(同)に立ち寄った後、同池でお待ちかねのバーベキュー。特産の「越谷ねぎ」と、市内にある宮内庁埼玉鴨(かも)場にちなんで「鴨肉」が提供され、どちらも「とてもおいしい」と好評だった。続いて同市増森の「越谷いちごタウン」でイチゴ狩り。人気の「あまりん」「かおりん」「紅ほっぺ」などの食べ比べを楽しんだ。
 最後は同市花田の日本庭園「花田苑」と「こしがや能楽堂」を見学した。
 草加市の会社員、渡辺良子さんは長男の翼くん(5)と参加。「バーベキューがおいしく、イチゴ狩りも最高だった。日本庭園も初めて訪れ、身近な越谷にこんないい場所があるのがわかった」と笑顔だった。
 同協会の中村将義事務局長は「初の試みで不安もあったが、笑顔があふれるツアーとなった。新たなコースを企画するなど今後につなげていきたい」と話していた。