「人を大切にする経営」をしている企業を表彰する「第3回草加でいちばん大切にしたい会社大賞」の表彰式が3月25日、草加商工会議所会館で行われ、神社仏閣授与品奉製業の「長谷川製作所」(草加市谷塚仲町、長谷川義貢代表)が「大賞」を受賞した。
また、「審査委員会特別賞」は、保険代理店の「高千穂保険事務所」(草加市谷塚町、北畠文康代表)と金属部品製造業の「潤製作所」(小野良一郎代表)が受賞した。
同大賞は、元法政大学大学院教授で「人を大切にする経営学会」の坂本光司会長が提唱する「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」にならい、地域版として草加商工会議所が主催し、同市が共催しているもの。今回で3回目。
「希望退職者の募集など人員整理(リストラ)をしていない」「仕入れ先や協力企業に対し、一方的なコストダウン等をしていない」「重大な労働災害を発生させていない」――など、6つの条件に全て該当していることが条件。審査委員会が現地調査などを行い、各社の実績を確認して審査する。
大賞に選ばれた「長谷川製作所」は、御札、御守り、縁起物など全国の神社仏閣への授与品の奉製を行う材料を製造している。
同社は宮城県牡鹿郡女川町に工場があり、東日本大震災後やコロナ禍での厳しい環境下でも「人に優しい経営」を掲げ、社員一人一人の存在価値を認め合い、社員全員で会社づくりに取り組んでいる。社員からも労働環境が良くなっているという声があるほか、障害者雇用も積極的に行い、経営計画の数字や納税額も全社員に公表し、誠実な経営を行っている点が高く評価された。
長谷川代表は「社員と一致団結し、ようやく平常通りに戻って来た。今回の賞に恥じない経営を続けていきたい」と、目に涙をにじませながら喜んでいた。
大賞と審査員特別賞を受賞した3社には、野崎友義・同商工会議所会頭から皮革製の記念の盾がそれぞれ贈呈された。
また、この日は「経営革新チャレンジ企業表彰式」「草加モノづくりブランド認定証贈呈式」も同時に行われた。