草加市のNPO法人「今様草加宿」(長谷部健一理事長)は1月24日、同市立草加中学校(森寿義校長)で総合学習の時間を利用し、伝統である神輿担ぎを次世代にも継承しようと「草加もみ体験」を行った。
1年生220人が対象となり、希望する60人が実際に神輿を担いで「草加もみ」を体験した。「総合的な学習の時間」の中で行われた体験型の授業で3年ぶりに実施された。
同市の神輿の担ぎ方には、独特の「草加もみ」といわれる担ぎ方――「わっしょい」「ながせ」(先に進め)、「まわれ」(時計回りに1周回る)、「あおれ」(肩から神輿を外し、地面すれすれまで神輿を下げた後、一気に頭上まで上げる)、「やんわれ」(神輿を左右に揺らす)という独特の掛け声と動作がある。
かつて日光街道草加宿で舟運が盛んだった江戸時代、船頭が使っていた掛け声や動きに由来するという。同日は市の歴史や「草加もみ」の様子を動画で学んだ後、グループに分かれ、神輿を担ぐことを希望した60人は、同級生が見守る中で「草加もみ」を体験した。
「草加もみ」を体験した今村心美さん(13)は「持ち上げたり揺らしたりなど、神輿の持ち方や担ぎ方で重さの変化がある事に驚いた。子ども用の神輿などが出る祭礼には参加したい」と目を輝かせていた。
「今様草加宿」の長谷部理事長(72)は「今回の体験を機に、実際に担ぎたいという希望者がいれば祭礼などに参加し、神輿を担いでもらいたい。今後も後継者の育成や、保存・伝承ができるよう、こうした活動を続けていく」と話した。