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草加市/納得する書へ試行錯誤 小野瀬さん 

文科大臣賞で飛躍

 草加市長栄の大学4年生、小野瀬莉瑚(りこ)さん(21)が、今月28、29日に「草加市勤労福祉会館」で行われる「水蓮会書道令和5年書き初め展覧会」に向け、練習に励んでいる。小野瀬さんは昨年9月、文京区シビックセンター(東京)で開催された「第36回全国書写書道展覧会」(全国書教研連盟主催)で、最上位賞の「文部科学大臣賞」に輝いた若手ホープ。「少しでも自分が納得できる書を」と張り切っている。

全国書写書道展覧会で受賞した文部科学大臣賞を見せる小野瀬さん
全国書写書道展覧会で受賞した文部科学大臣賞を見せる小野瀬さん

 「書き初め展覧会」は、小野瀬さんが師事する石川水蓮さん(78)が会長を務める水蓮会の主催行事で、草加市が後援。小野瀬さんは高校1年生の時に同展覧会で市長賞を受賞した。

 「全国書写書道展覧会」では、書の本「褚河南書孟法師碑(ちょかなんしょもうほうしひ)」に書かれた漢文の一節を取り上げており、「書き初め展覧会」ではその続きの一節を書いている。「展覧会は自分の成長を確かめることができる場。書体や文字の組み合わせなど、試行錯誤を繰り返している」という。

試行錯誤しながら「書」を書く小野瀬さん

 小野瀬さんが草加市新善町の書道教室に通い始めたのは小学2年生の頃。初めは硬筆(毛筆でなく、鉛筆やボールペン、万年筆などによる書写)の練習のためだったが、習字の授業が始まるのを前に書道も習うようになった。
 小学生の時は全く賞を取れず、悔しい思いも。だが、好きな書道で負けたくないと、週1回は必ず書道教室に通い、練習を重ねた。
 中学生になると賞に選ばれることが増え、高校受験時にも書道は休まず続けた。「書道が受験勉強の癒やしになっていた」と小野瀬さん。一昨年には楷書で准師範の資格を取得した。

 石川会長は「辛抱強く前向きなところが文部科学大臣賞につながった。さらに上を目指してほしい」と応援する。母親の麻美さん(47)は娘を「静かに燃えるタイプ」だと言い「コロナ禍で学校が休みになり、家での練習量が増えた。文部科学大臣賞は欲しかった賞だと思うが、書き初め展でもさらに刺激を受けてがんばってほしい」と話している。

 小野瀬さんは「石川会長や家族のお陰で大きな賞も受賞でき、今も書道を続けられている。さらに努力を続け、高みを目指したい」と意欲を見せている。