任期満了に伴う草加市の市長選は10月23日に投開票が行われた。三つどもえの草加市長選では、新人で元衆院議員の山川百合氏(53)(無)が、再選を目指した浅井昌志氏(62)(無)らを破って初当選した。女性市長の誕生は同市初。山川氏は31日に初登庁し、「対話を通じて『誰もが幸せなまち草加』を実現したい」と意気込みを語った。
当 39,813 山川百合子 53 無新
35,511 浅井 昌志 62 無現
7,061 福田 誠一 58 無新 (選管確定)
草加市長選、市議選の当日有権者数は20万6295人。市長選の投票率は40・7%で前回を2・82㌽、同市議選は37・9%で前回を2・8㌽、それぞれ上回った。
10月31日朝、初登庁した山川氏は、市の職員や支援者らから拍手で迎えられた。後輩にあたる草加中学校1年の中村うら蘭さん(13)から花束と手紙を手渡され、「同じ女性としてがんばってほしい」と激励された。
同市初の女性市長となった山川氏は職員への訓示で、「『だれもが幸せなまち』の理念を共有し、その実現に向けて、現状と課題を整理し、事業の計画・実行に積極的、スピーディー、かつ丁寧に取り組んでもらいたい」と求めた。
さらに、①乳児から高齢者までだれ一人取り残さない福祉②子育て・教育のまち③国や県とのネットワークを駆使した地域経済の活性化④暮らしに寄り添うまちづくり⑤草加市の最高規範「草加市みんなでまちづくり自治基本条例」の理念実現―の「5大戦略」を改めて示し、その取り組みについて、入庁1年目を含むすべての職員から、所属部局関係なくアイデアを提案してほしいと呼びかけた。
また、山川氏は同日行った記者会見で、「市民25万人のリーダーとして身の引き締まる思い」と所感を述べ、「女性ならではの目線できめ細かな対応を心掛けていく」と、女性市長の利点を生かして市政を進めていく考えを改めて示した。
さらに、選挙戦を通じて訴えてきた「対話を通じたまちづくり」について、「市民とだけでなく、市職員、市議会議員の方々との対話も行いながら、パートナーシップのまちづくりを推進する」と述べ、対話を徹底していく姿勢を強調した。
山川氏は衆議院議員時代、不妊治療への医療保険適用を強く求め、今年4月からの実現にこぎつけた実績がある。これを背景に、草加市においても「特に子育てと教育に力を入れていきたい」と意欲を見せた。
23日夜、開票途中で「山川氏リード」の情報が陣営の事務所に伝わると、集まった支持者は「初の女性市長誕生だ!」と沸き立ち、山川氏と握手を交わした。