吉川市の市民でつくるサークル「演劇を楽しむ会・れんげ草」は25日午後2時から、吉川市老人福祉センターぱれっと(同市中央)でオリジナルの演劇公演「樹海」を開く。
「れんげ草」は60代から80代の市民7人でつくるアマチュア劇団。2016年に同市が実施した体験プログラム「演劇プロジェクト」に参加した市民有志が集まり、サークルを結成した。20年8月に初公演を開催し、新型コロナの緊急事態宣言期間中を除き、毎週1回のけいこを続け、昨年までに入場者を限定して3回目の公演も行った。
同劇団の特徴は台本を持ちながら演じる「朗読劇」という手法をとっている。当初はセリフを覚えるのが大変との理由で始めたが、実際には会員らの集中力と記憶力により、台本を見ながらでなくても演じるケースが多いという。
指導するのは、日本演出者協会会員の脚本家・演出家で俳優の多田美紀さん(53)(吉川市在住)。毎週1回、市内公共施設を練習会場に発声練習からダンス、踊り、歌唱指導までこなす。約2時間にわたり、会員らは汗だくになりながらも笑顔が絶えない。 多田さんは「会員たちのパワーに圧倒されています」と笑う。
会員の一人、長濱知子さんは「中学生の時に演劇部でやって以来ですが、毎週のけいこが楽しみ。残りの人生を自分のために何かやりたいと、始めました。人前で公演するのが緊張感があって最高」と話す。同じく、牛田雄二郎さん(74)は「市の演劇ワークショップに参加したら、面白くて、演劇を始めた。ギターが得意なので演奏するシーンがあると楽しい」と笑顔。
今回公演する「樹海」は多田さんの脚本、演出作品。富士山の裾野に広がる“自殺の名所”の「樹海」が舞台。70代の女性2人が自殺を図ろうと、樹海に入ると予想もしない「誰か」と出会うというストーリー。
多田さんは「私たちが目指すのは、観客と演じ手が一つの空間の中でかけがえのない時間を一緒に体験する“応用演劇”。ハプニングも含めて楽しんでください」と呼びかけている。
公演は鑑賞無料だが、60歳未満は施設使用料として100円が必要。定員
先着60人(予約不要)。開場は午後1時30分。
<問い合わせ>れんげ草の牛田さんTEL080・5031・3465。
吉川の市民劇団「れんげ草」公演・25日に「樹海」発表