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草加せんべい、文化庁「100年フード」に認定

押し瓦で固める伝統の技術でつくられる草加せんべい

 文化庁がこのほど新設した「100年フード」に、「草加せんべい」が認定された。認定により、今後、「100年フード」のロゴマークが使用でき、文化庁の公式ウェブサイトに掲載される。関係者らは「伝統を守り、100年先も続くよう誇りをもって頑張りたい」と喜んでいる。

 「100年フード」は、地域の食文化に誇りと愛着を持ち、「100年先まで受け継いでほしい」との狙いと、広く知ってもらうため創設された食文化機運醸成事業。江戸時代からの「伝統」、明治・大正の食文化「近代」、昭和以降の「未来」の3部門がある。

 一般社団法人「埼玉県物産観光協会」が、「伝統」部門に草加せんべいを応募したところ、「地域の風土や歴史・風習の中で個性を生かし創意工夫された食文化」などと高く評価された。

 草加地域は昔から米が多く収穫され、しょう油製造の野田も近く、日光街道筋との立地から、せんべいが地場産業として発展してきた。大正期に大正天皇に献上され、広く知られるようになった。1955年以降、駅やデパートの即売会などで知名度は〝全国区〟に。毎年、市内小学校の新1年生には、〝郷土の味〟として、せんべいを配布している。近年はアメリカ、イタリアでもPRしている。 

 一方、かつては100軒を超えた業者は現在、30数軒(約40店)となり、職人の確保などが今後の課題となっている、という。

 「草加せんべい振興協議会」の豊田重治会長(76)は「昔からの伝統と技術を守り、それぞれ工夫し、時代にあった味、飽きられない味を作り続け、顧客を確保している」と話している。

 なお、県内では熊谷地域の菓子「五家宝」、行田市の「ゼリーフライ」も認定された。