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越谷市が「移動トイレ車」導入・避難所や防災訓練で活用

 越谷市はこのほど、地震や災害時などに使う移動式の「トイレトレーラー」を県内で初めて導入した。けん引車で駆け付けることのできる機動性を生かし、避難所や防災訓練、イベントで活用する。5月末まで、同市増林の観光農園「越谷いちごタウン」駐車場に展示して、実際に来場者に使ってもらっている。同市によると、トイレトレーラーの導入は全国で15自治体目という。
 災害時、避難者が特設トイレの汚れなどを嫌い、水分補給や食事を控えたり、自宅に戻ったりすることを懸念した同市は、一般社団法人「助けあいジャパン」(東京都大田区)が移動式トレーラーの普及を図っていることを知り、2020年から導入の準備を進めてきた。車両は米国製。
 トレーラーは、全長約4・2㍍、幅約2・4㍍、重量約2・5㌧。運転には「けん引免許」が必要で、同免許を所有する市職員が公用車のトラックを使ってけん引する。
 トレーラーには洋式の水洗トイレが4室ある。家庭用トイレと同じで広さで、着替えや授乳にも使えるほか、ソーラー発電システムを導入し、照明などに使用。長期間の使用でも衛生状態を保てるよう、清掃用の排水溝や換気扇も設けられている。車体の左右には市内の景観、後方には同市のマスコットキャラクター「ガーヤちゃん」をデザインしている。購入費用は1954万円。
 「助け合いジャパン」は、全国の各自治体が災害時に支援し合うことができる「災害派遣トイレネットワーク」を推進しており、同市もこのネットワークに参加し、大規模災害が発生した地域にトレーラーを派遣することにしている。
 同市の野沢豊・危機管理室長は「市内の避難所で活用することはもちろん、大規模災害が発生した被災地域にも派遣し、助け合いの輪を広げたい」と話している。