春日部市立武里西小学校(横崎剛志校長、児童538人)は、2月15日、大阪樟蔭女子大学(大阪府東大阪市)の今田晃一・学芸学部教授(62)をゲストティーチャーに迎え、「ネットいじめ防止」をテーマにした6年生の特別授業をオンラインで行った。
同小は今年度から全児童に1人1台のタブレット端末を配布し、各教科の授業で活用している。特別授業は、高校生たちが、“ネットいじめ”の一つの「LINE(ライン=スマホの無料通信アプリ)はずし」を行っている動画を視聴して、児童全員が考えをまとめ、意見をタブレットに随時回答する形で進められた。
教室には大型モニターが設置され、今田教授は大阪から出演し、「ネットのグループに入れない」「ネットに悪口を書き込む」「見られたくない写真や動画を公開する」――などがネットいじめと説明。児童らは「特定の子を仲間はずれにしよう」と言われたらどう答えるかについて、タブレット端末に考えを入力した。
伊東ゆきなさん(12)は「表情や微妙な気持ちが伝わらず、エスカレートするのがネットいじめ。言葉により自分がいじめの対象になり、相手を傷つけてしまう。対立構造をつくらない発言ができるように努力したい」と話した。
原竣之介君(12)は「授業だけではわからない学習内容や、興味のある学問や技術を習得するために、動画で学ぶ新しい学習スタイルを頑張りたい」と話した。
今田教授は「加害者にほとんど悪意がないのがネットいじめの特徴。返信する書き込みがすべてで、意志疎通が大人でも難しい。本来は友人同士、対立構造をつくらずに落としどころを探す、コミュニケーション能力が必要」と話していた。
横崎校長は「最先端の授業で、児童の振り返り(復習)がデジタルでできた。今後、大切なのは教員の学習履歴の活用で、ライブラリー化して復習できるようにする必要がある」と話した。
「ネットいじめ」を考える・春日部武里西小でオンライン授業