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「小松菜カレー」を独自開発・越谷総合技術高生徒と農家が協力

 越谷市谷中町の県立越谷総合技術高校(市村洋子校長、生徒622人)の食物調理科3年生6人が、地元農家と協力して地元産小松菜に合った、オリジナルのカレースパイス(以下カレー)「小松菜のための こしがやMixスパイス」を開発した。このカレーは商品化され、3月5日から販売される。同市が地場産農産物の普及を目的にした事業「こしがや“彩り”レシピ2021」の一環として開発されたもの。高校生たちは、小松菜の収穫体験をはじめ、地元レストランのシェフのアドバイス、同市観光協会の販売サポートなど地域の全面支援を受け、商品化にこぎつけた。

 コロナ禍で米や野菜の消費が落ち込んでいるため、同市は、地元産の農産物の消費拡大を目指し、同高校に「越谷産米・野菜に合う」をコンセプトとしたレシピ開発を依頼した。

 これを受けて同校食物調理科の生徒たちは、「ごはんが進む」「野菜をさらにおいしく」――などをテーマに、昨年8月から、オリジナルのカレー開発に取り組んだ。

 まずは野菜選びからスタート。年間を通して出荷され、出荷量も多い小松菜にターゲットを絞った。市内小曽川の農家で、市内若手農家でつくる「越谷市グリーンクラブ」会長の増田将之さん(39)が全面協力。増田さんは約1万平方㍍の畑で小松菜を栽培している。生徒たちはハウス内での収穫から体験した。

 「小松菜は栄養豊富で、ぺーストにしても、具材としても使い勝手がよく、おいしく食べることができる」と増田さん。

 初めての収穫体験で「大変な作業。食材のありがたさを改めて知った」生徒たちは、学校の調理室で、カレー粉の試作を重ねた。開発には、カレー研究家のスパイシー丸山さん(47)の指導を受け、監修もしてもらった。

 何度も失敗し、挫折しそうになりながらも、「小松菜に合うものを」とアイデアを出し合って、昨年末、複数のスパイスを調合し納得のいくカレーが完成した。スパイシー丸山さんは「高校生のフレッシュな発想で、越谷らしいカレー粉が完成した」と高く評価した。

 早速、同市北川崎のカフェレストラン「uminoie」の堤海、絵梨さん夫妻に小松菜カレーを作って試食してもらったところ、「とても奥深い味。作り手によって変わるすてきなカレー」(絵梨さん)となった。

 担当の上野理恵教諭は「小松菜の収穫体験などにも携わることができて、教員としても貴重な体験だった」と話す。

 オリジナルカレーは一般社団法人「越谷市観光協会」が商品化し、3月5日から越谷駅東口高架下の観光物産拠点施設「ガーヤちゃんの蔵屋敷」で1袋390円で販売する。5日は「蔵屋敷」で「商品化イベント」を開催。小松菜を販売し、小松菜購入者の先着300人に同スパイス(レシピ冊子つき)をプレゼントする。

 今回の開発ストーリーは同市ホームページからユーチューブ(オンライン動画共有サービス)で見ることができる。