障害や貧困に苦しむ子どもたちの支援には、さまざまな形があり、多くの団体が活動しているが、舞台芸術の鑑賞など文化的な側面から、そうした子どもたちに寄り添おうというグループが、草加市に誕生した。「草の童(わっぱ)の会」(三澤江津子代表)。親子の交流活動や、障害者・貧困者などの支援に力を生できる地域づくりを目指したい」と今後の活動に期待をかける。
同会結成の中心となったのは、市内で舞台芸術作品の鑑賞を中心に、さまざまな親子交流の活動をしているNPO法人「子ども広場草加おやこ劇場」の事務局長の三澤さん(50)。
三澤さんは、「おやこ劇場」の活動を続ける中、有料で鑑賞できる子どもたちがいる反面、障害を持った子どもたちや、貧困家庭の子どもたちが、舞台芸術などに親しむ機会が少ないことを痛感してきた。
そこで、「子どもたちに無料で芸術作品を届けよう」と、市内の福祉活動を行う他団体に呼びかけた。その結果、子ども食堂を通じて地域交流の場作りを目指す「子ども応援団マイカ」や、心身障害者らの情報交換、相互の助け合いに力を入れる「草加市光陽育成会」、障害者の生活と権利を守る活動を続けているNPO法人「まつぼっくりの会」などの団体から賛同した有志らが集い、「草の童の会」が誕生した。
また、結成メンバーの中に「草加松原ロータリークラブ」の会員がいたことから、同クラブが「10周年の創立記念事業」として、協賛することになった。
同会の最初の活動として、今月27日に同市立中央公民館で、人形劇「河の童」の公演を行う。
三澤さんが、活動を通して知り合った劇団「デフ・ペットシアター・ひとみ」(ろう者と聴者が共に創作する人形劇団)の公演で、演目は、河童とある少女の出会いや、おとなになった人間と河童をめぐる内容の「河の童(わっぱ)」。今回はコロナ禍での初めての開催のため、関係者だけの200席に限定している。
三澤代表は「舞台発表を誰もが自由に楽しめるように、次回は対象者を広げたい。親子で観劇して、その後のコミュニケーションにもつなげてほしい」と話している。
<問い合わせ>「草の童の会」事務局☎936・1771。