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草加/地域経済飛躍の要に

草加商工会議所が新会館

 草加商工会議所(野崎友義会頭)が1日から新会館での業務を開始した。1978年9月に落成した旧会館は地域産業のよりどころとなっていたが、老朽化のため、昨年4月に解体工事が始まり、新会館が今年3月に竣工した。これまで同様、地域産業界を担う人々のよりどころとして、草加エリアの産業発展に向けた拠点となる。さらに、新会館は防災機能も備え、災害で帰宅困難者などが出た際に駆け込み避難が可能な施設として整備されており、市民に開かれた場としても期待が高まっている。

記念撮影に臨む野崎会頭(前列左から3人目)ら役職員

5月に落成式 防災機能備え避難先にも

 この日、新会館では野崎会頭のほか、森勇一、晝間泰昭、清水秀逸、堀川雅治の各副会頭と役員、職員らが集まり、新会館の完成を祝い、業務を開始した。

 あいにくの雨模様のため、新会館前での記念撮影は断念し、代わりに吹き抜けのエントランスで記念撮影を行った。その後はお祝いに駆け付けた人々の対応に追われた。

 野崎会頭は今年度採用された新職員たちに声をかけるなど交流を深めた。新職員は「はい」「がんばります」などと緊張した面持ちで返答していた。

新人職員に声をかけ る野崎会頭 (左奥)


 新会館は、敷地面積約1100平方㍍、鉄骨造3階建て。総工費は約6億5000万円。

 1階には事務室があり、入室には指紋認証が必要。受付窓口上部や、北側と南側の入り口付近にはデジタルサイネージ(電子看板)が設置されている。受付窓口は一部低くなっている箇所があり、車いすに座ったままでも書類などが記載しやすい高さになっている。相談ブースには中小企業診断士が常駐し、中小企業の経営面における相談や経営の強化、問題点の洗い出しなどが行える。また、ジェンダーフリー、バリアフリーで車いすでも利用可能な「だれでもトイレ」が設置されている。

1階事務室の受付窓口。車いすでも書類に記載出来るように右手側 (奥) の1部が低くなっている
新会館を象徴する吹き抜けのエントランス


 2階には第1~3会議室があり、部屋の前には煎餅や皮革、浴衣など地場産業を模したサインが掲げられている。各部屋を仕切るパーティションを移動させれば一つの大型会議室としても利用が可能。災害時などには避難者の受け入れ場所として活用される。


 3階には会頭室や役員室のほか、貸事務所が設けられ、草加市商店連合事業協同組合や草加青年会議所、県トラック協会草加支部、アクサ生命保険、一般事務の代行などを行うオフィス・サポートが業務を開始している。また、スタートアップ企業(創業初期段階にある企業)の事業拡大や成功を支援する目的で、通常よりも安価な賃料で事務所のスペースを提供したり、事業の立ち上げに関する専門家のサポートを提供したりする「インキュベーション施設」が設置されている。

3階エントランス上部からの眺め


 さらに、定員15人のエレベーター、各階に給湯室とトイレがそれぞれ設置されている。
 一方、防災機能として新会館に導入された災害対応バルク(LPガスを備蓄するバルク貯槽と供給設備が一体になった設備)により、停電時には事務所と2階会議室に非常電源が通電。近隣住民や帰宅困難者の一時避難を受け入れ、携帯電話の充電などが可能となる。また、2階の会議室はガス空調(GHP)により室温が快適に保たれ、避難所運営を通して住民生活の安定を図ることができる。
 建物の北側には17台収容の駐車場がある。
 5月には新会館の落成式が実施される。

意見交換し学び合う場に 新会館完成にあたって

草加商工会議所会頭 野崎 友義

 日頃より当商工会議所の事業活動にご理解、ご協力、ご支援賜りまして、誠にありがとうございます。

 さて、旧草加商工会議所会館は昭和53年9月に完成して以来、管内の商工業者に対して金融や税務といった経営改善普及事業、創業や経営革新といった伴走支援等の産業支援拠点として45年間の長きにわたりその重責を担ってまいりました。しかしながら、昭和56年の「新耐震基準」の導入以降、基準を満たさない旧会館は、対策が求められるとともに、産業拠点としての会館のあり方について検討を続けてきました。さらに、首都直下地震への対応の緊急性等を踏まえ、令和4年5月に会館建替え推進協議会を発足し、当商工会議所の所有地である現在地において【防災機能と地域交流機能を併せ持った、環境配慮型の新産業拠点】をコンセプトに新会館の建て替え工事を開始いたしました。

 この度、令和7年度の業務開始に合わせ新会館が完成し、草加商工会議所の歴史に新たな1ページを加えることができました。役員・議員、会員事業所はもちろんのこと、関係機関、そして、多くの市民の皆さまとこの大切な瞬間を共有し、共に新しい一歩を踏み出していけることを心よりうれしく思います。

 この新会館は、私たちの活動をさらに充実させ、多くの方に愛される場となることを願っております。明るく開放的な空間で、皆さまが集まり、意見を交換し、共に学び合う場となることを期待しております。新会館を通じて地域や人々がつながり、より良い未来を共に築いていけるよう、当商工会議所の役職員一同、引き続き市内商工業の発展と地域経済の活性化に向けて邁進してまいりますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 結びに、新会館の建て替えにあたり財政面での支援を賜わりました草加市並びに寄付・協賛を賜りました皆さま、そして、建て替え工事を請け負っていただきました「SOKA CCI建設共同体」はじめ工事に携わってくださった工事関係者の皆さま、さらには、資金調達についてアドバイスいただきました埼玉りそな銀行をはじめとする市内各金融機関に改めて感謝申し上げます。

副会頭4人がコメント

草加商工会議所新会館の完成にあたり、4人の副会頭はそれぞれ次のようなコメントを発表した。

産業振興の中心に 森勇一副会頭
 「今後50年、100年と続く草加市の産業振興の中心や情報の発信地として続けられるよう、事業を推進していく」

まちを盛り上げる 晝間泰昭 副会頭
 「地域の中心となり、まちのさらなる盛り上がりを生み出す組織として、今後も誠心誠意、尽力していきたい」

企業や市民に感謝 清水秀逸 副会頭
 「協賛企業などと同様、市からの補助金として税金を活用させていただいているので、市民にも感謝しかない」

安心の防災拠点に 堀川雅治 副会頭
 「新会館は 防災拠点も担っている施設。市民の皆さまにも気軽に安心して利用していただければと思う」

草加商議所新会館の概要

住所:草加市中央2丁目16 の10
構造:鉄骨造3階建て、杭基礎工法
敷地面積:1111.61平方㍍
延べ床面積:1029.52平方㍍、容積率92. 6%
緑地:138.12平方㍍
駐車台数17台
諸室:事務室、相談ブース、会議室、役員室、貸事務所
設備:災害対応バルク980 ㌔・㌘×1、GHP(ガス空調)(標準機)10 HP×1、20 HP×2、GHP(停電対応)20 HP×1
工事請負業者:SOKA CCI建設共同体
建設コンセプト:防災機能と地域交流機能を併せ持った、環境配慮型の新産業拠点
総工費:約6億5000万円