草加の人形劇団
草加市谷塚文化センターを中心に活動する人形劇サークル「ハメハメハ」(原田初枝代表)が、昨年10月の公演を最後に、46年間にわたる活動に終止符を打つ。

1979年の発足以降これまでに、同センターや幼稚園、児童館、図書館、小学校など多くの場所で300回以上もの公演を行ってきた。人形劇の人形も自分たちで制作。演目は歌や人形劇を交互に入れたボードビルの「南の島のハメハメハ大王」や「だんご三兄弟」、「アブラハムの子」、人形劇の「はらぺこあおむし」や「3匹の子ぶた」などのほか、紙芝居や群読など。特に、草加市に伝わる昔話「ムジナ大尽」を人形劇に仕立てるなどし、多くの子どもたちを笑顔にしてきた。
発足後、多い時には12~13人いたメンバーも減ったり入れ替わったりして、5人で長い間、活動を続けていた。しかし、約1時間の公演で体力が続かなくなり、分担する作業の量や足腰への負担などを考えた結果、今年でサークルの活動に幕を下ろすことに決めた。
2月20日、原田代表(85)のほか、メンバーの篠原信代さん(78)、竹内れい子さん(75)が同センターに集まり、人形を手にこれまでの思い出や感想などを語った。原田代表は「続けたい気持ちはあったが、自分を含むメンバーの体調などを考え、けじめをつけることが重要だと思った」と強調。一方で、「自分たちが手作りした人形の行方が気になった。そのまま捨てるのは忍びなかった」と引き取り手を探した結果、いくつもの団体が譲り受けてくれたことを明らかにし、「今後、ちゃんと活用して人形を生かしてもらえたら」と涙を浮かべた。
同サークルの活動は市内のみにとどまらず、近隣の市や都内にまで及び、東京都渋谷区にある日本初の現代人形劇専門劇場「プーク人形劇場」で行われた「お母さんの人形劇大会」にも参加。2006年には、県内で地道な文化活動を続けたとして、県から地域文化の向上に貢献した個人や団体に贈られる「文化ともしび賞」を受賞している。