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八潮/道路陥没 救助難航 長引く影響

避難継続 通信も被害

緊急車両で騒然とする現場(島根芳夫さん提供)
緊急車両で騒然とする現場(2枚とも島根芳夫さん提供)


 八潮市中央1丁目の県道松戸草加線で1月28日に起きた大規模な道路陥没事故で、現場では陥没した穴に転落したトラックの運転手に対する救出活動が続けられる一方、付近の住民が避難を余儀なくされるなど緊迫した局面が続いた。現場付近一帯では電話やインターネットが使えなくなったほか、穴への下水流入を防ぐため、県が八潮市内だけでなく越谷市や草加市など11市町、約120万人に風呂や洗濯の自粛を要請するなど、影響は長時間、広範囲に及んだ。住民は「まさか身近でこんなことが起きるなんて」と不安な日々を送っていた。

救助のため集まった消防署員ら
救助のため集まった消防署員ら


 崩落事故は28日午前9時50分頃、県道と潮止通りが交差する中央1丁目交差点で起きた。交差点中央に突然、直径約5メートル、深さ約10メートルの穴が開き、通りかかったトラックが真っ逆さまに転落した。
 救助活動では当初、クレーンでトラックごとを引き上げようとしたが、運転台がもげて穴の中に残った。穴に近寄ろうとするも、地下が空洞になった道路の表面が崩落。土砂や下水も流れ込み、二次災害を警戒して作業は思うように進まなかった。現場近くの飲食店の駐車場など2方向から穴に向かってスロープを造って救助する方針が決まり、昼夜を徹して作業が続けられた。
 一方、周辺では当初、ガス漏れの危険があるとして現場から半径200㍍の住民に対して避難勧告が出され、数十人が八潮市役所や八潮中学校体育館に避難した。その後、避難所はエイトアリーナ(鶴ケ曽根体育館)に変更された。
 現場から約500㍍のところに住む「ねずみの森混声合唱団」代表の島根芳夫さん(75)は事故発生初日、友人からのメールで事故を知った。現場周辺には消防車など緊急車両が集まり、上空を報道各社のヘリコプターが飛び、騒然とした雰囲気。それから数日すると規制線がさらに広げられ、歩道も歩けず、まったく近づけない状態になったという。下水使用自粛の呼びかけを受け、島根さんは「洗濯は通常より3、4日遅らせ、状況によっては毎日の入浴を控え、足立区のお風呂屋さんに行こうかと考えている」と話していた。