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「お金より楽しく」 越谷の女性15人

楽しみながら作業する山﨑さん(左から4人目)ら「スマイル」のメンバー
楽しみながら作業する山﨑さん(左から4人目)ら「スマイル」のメンバー

 越谷市シルバー人材センターの中に内職グループ「スマイル」がある。69~80歳の女性15人が月に10日間ほど、同市大杉の老人福祉センター「くすのき荘」に集まり、2時間半から5時間程度、仕事を楽しんでいる。
 「お金よりコミュニケーション。しゃべりながら楽しくやっているから、やりたい人が増えている」とリーダーの山﨑かえでさん(75)は話す。
 発足は3年ほど前。シルバー人材センターの中でも、南越谷地域などには仕事が多く、大袋や新方などの北部地域には少ないという地域格差がある。そこで就業開拓したのが内職だった。「1日やっても何百円にしかならないけど、みんな集まってやると楽しいよ」と山﨑さんが呼びかけ、4人が集まった。回数を重ねるごとに手慣れてきて、今では10人ほどが定期的に集まるようになった。
 仕事は、和洋紙、紙加工品を扱う会社から、画用紙5~10枚を袋に入れてシールを貼る依頼や、大きな色画用紙を筒状に丸めて袋に入れて、段ボールに詰める依頼が定期的に来る。新学期が繁忙期で、その時期はお弁当持参だ。「それもまた楽しい」とみんな口をそろえる。
 選挙の時には政治家からシール貼り、年末には埼玉りそな銀行からカレンダーを筒状に丸めて袋に入れる依頼が来る。「そういう細かい仕事はたくさん入ってくる。みんなが頑張ってくれるので、業者も喜ぶし、双方にとっていい」と同センター生きがい課の阿部和也副課長も喜ぶ。
 仲間を手配するのは山﨑さんだ。依頼が来ると、グループラインで日にちを連絡して出欠を取る。仕事を始めると「それ取って」「こうしたら」「そっち何枚」など手も口も止まらない。「ボケ防止になる」と参加者は笑う。
 80歳の女性は「楽しい。前からくすのき荘には風呂に入りに来ていて、ついでにやらせてもらうことになった。みんな気持ちのいい人ばかり」とニッコリ。
 「チラシ5枚が数えられなくなったら引退だね」と作業場では大きな笑いが響いていた。