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草加/高齢者の〝足〟地域で支援 草加川柳地区 福祉施設が車両提供

買い物の送迎サービス 「みんなで来るのが楽しい」

スーパーで買い物を楽しむ住民
スーパーで買い物を楽しむ住民

 草加市の草加川柳地区第2層協議体「楽らく笑しょうさんぽ( 青しょう柿し)」が昨年11月20日から、柿木地区在住で、買い物の手段に困っている地域住民を対象に送迎サービスを始めた。市内で福祉事業を行う社会福祉法人「光陽会」(大橋愛子理事長)が車両を提供、「柿木町会」が窓口となり、スーパーマーケットへの足を確保し、地域全体で高齢者を支援する。これで、同市内で社会福祉法人の車両を借りた買い物支援は、谷塚西部地区、苗塚町地区に続き3件目となった。
 実施日は毎月第3水曜日。光陽会が自動車を使用していない午後1時10分から1時55分まで、45分間の買い物だ。買い物の足がなくて困っている人が対象で、定員は6人。利用は無料。集合場所は柿木公民館第2駐車場や八坂神社など。買い物先は「ベルクス青柳店」だ。
 きっかけは、「買い物手段に困っている」という地域住民の声だった。同地区は高齢者の住民が多い一方、大きい店がない。需要と供給が見合わず、スーパーが運行する「移動販売車」も入っていない空白地帯となっていた。
 送迎支援を何とか実現したいと、「光陽会」へ話を持ち込んだところ「法人としても日頃から地域のお世話になっている。地域貢献できればと思っていた」と快諾してくれた。
 2回目の12月18日に参加したのは80代前後の女性3人。楽笑さんぽメンバー、民生委員などの地域ボランティアが買い物をサポート。ベルクス青柳店には100円ショップや薬局、洋品店などが隣接し、食料品以外でも必要なものを購入できる。車を降りると、参加者はそれぞれお目当ての場所へと散らばっていった。
 普通免許を返納した茂木三枝さん(85)はオリーブの塩漬けやお気に入りのヨーグルトを求めて店内を回った。「みんなで来るのが楽しい。こういうサービスを使って、次にデイサービスにつなげていければいい」と満足そう。コーヒーなど重いものを購入した和田幸枝さん(86)は、「最近は柿木に来るバスがなくなったのでありがたい。ご近所でも話したことがない人と知り合えてよかった」と喜んだ。ほとんどがリピーターで、「また来月申し込みます。楽しいから」と話していた。
 光陽会は、同市内で知的障害者が通所・生活する施設8か所を運営し、そのうち草加川柳地区には生活介護青柳太陽の家、就労継続支援B型希望の家、グループホーム光輪の家の3施設がある。今回の支援では運転手、燃料費、車両保険などを負担する。
 窓口の柿木町会は住民に安心して参加してもらうため、町会広報紙「ちょこっとたよりん」に買い物支援の記事を掲載した。添乗、買い物かごなどの消耗品購入なども支援。駐車スペースについてはベルクス青柳店が協力している。
 楽笑さんぽは、楽しく笑いながら活動できるように、また、1歩ずつ歩んでいけるようにと名付けられた。1歩目は「お散歩会」、2歩は県立草加高校のスマホ教室での多世代交流、3歩目は買い物の送迎サポートまで進んだ。今後、4歩目の活動も気になるところだ。
問い合わせは草加市社会福祉協議会生活支援コーディネーター草加川柳地区担当☎932・6770。