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草加/国際コン金賞 夢は世界水準

中学生でプロピアニスト 瀬崎中2年 吉田蒼空馬君

 「夢は世界水準レベルのピアニスト。数多くのコンサートに出場し、実力を磨くためにも、新しい曲に挑戦し続けたい」と話すのは、草加市立瀬崎中学校2年の吉田蒼空馬君(13)。昨年、「第13回下田国際音楽コンクール」の「ヤングアーティスト部門」にピアノで出場。10分近くあるショパンの「バラード第4番」を演奏し、ピアノではただ1人金賞を受賞した。

中学生でプロピアニストの吉田蒼空馬君


 中学生で大曲をエントリーできるコンクールは数少なく、世界の第一線で活躍する審査員から講評がもらえるからとエントリーした。「賞はご褒美。頑張って練習してきた曲なのでうれしさと達成感がある」といい、「担任や校長先生など学校も音楽活動に理解してくださっている」と喜ぶ。

 同コンクールは楽器や声楽を対象に毎年開催。コロナ禍から動画審査に変わり、倍率が高くなった。さらに1回限りの実地審査と異なり、平均15回ほど視聴され細やかに審査される。
 同部門の課題は30秒から10分以内の自由曲。審査委員には出場者の年齢が伝えられ、年齢に応じた基準で採点される。演奏時間の長短は影響しない。


 母親の玲実さん(41)によると、吉田君がピアノに興味を持ったのは5歳の時。家族でチャペルを訪れた際、グランドピアノに触れた。帰宅後、「ピアノと教えてくれる先生が欲しい」とせがまれたという。
 近所のピアノ教室に通い始め、小学生で国際コンクール2冠を果たしたほか、11歳でオーケストラと協奏。海外演奏の経験もある。昨年、東京の「及川音楽事務所」のオーディションに合格。同年8月には「東京音楽大学付属音楽教室」の試験に合格し、長島達也、佐藤彦大両氏に師事して、中学生プロピアニストとして歩み始めた。

 練習量は平日3~4時間、休日7時間。練習前には必ず指の練習を30分ほど行う。玲実さんは「ピアノのことは全て先生に任せています」と笑う。
 本人は「手が生まれつき大きく、楽譜を省略せずに弾けるのが強み」と話す。「他の楽器の演奏家である審査員からも高い評価を受けた。オーケストラと共演する際の自信につながった」と意欲を見せている。