老舗出版社がセミナー
吉川市立図書館は11月22日、名物企画の「第6回出版セミナー」を同市民交流センターおあしすで開催した。今回は、西東社(せいとうしゃ)の倉庫が市内にある縁から、同社の若松和紀社長、江利川咲子編集長、三上恒希編集員が講師となり、編集から営業、経営までのさまざまな「ヒミツ」を話した。本好きの子ども2人を含む31人が参加した。
西東社は、1932年創業の老舗出版社。創立当初は「運転免許関係の問題集」と「釣り」がメインだったが、社長の代が替わる度に出版内容も変わり、4代目の若松社長になると実用書や児童書など多岐にわたる書籍を発行するようになった。
講習会では「本の選び方」、「本の企画」などが話題になった。本選びのポイントは、「はじめに」や「巻頭」に書かれている文章を読むことだという。そこは編集者の思いが入るところで、訴えたい点を読んで購入すると失敗が少ないとアドバイスした。
一方、「企画」はわかりやすさとインパクトだという。「野菜の収穫・保存・料理」の本は、「必要な人に一番いい本を届けたい」と江利川編集長が企画し、自ら家庭菜園を作り、1年かけて食べきれない野菜を無駄にしない料理をまとめた本だ。かゆいところに手が届く必要な情報を提供するのが同社のモットーと話す。
児童書の「日本の歴史」「言葉辞典」が特に好きだという京谷亘さん(9)は、「小1から歴史本を読んでいて、今日はとても楽しみにしていた。頭に詰まっているものを聞けてすっきりした。出版社の人にいろいろ質問できてうれしかった」と興奮気味に話していた。