吉川市が減災対策強化 北谷小で住民ら120人
吉川市は11月10日、市民参加型の「第9回吉川市減災プロジェクトin北谷小学校」を同校で開催した。
水害時や震災時の減災意識の向上と避難行動の理解促進、地域コミュニティーによる減災力の向上を図るのが目的。今回は「自助・共助」をテーマに、避難者による避難所の開設、運営を想定した訓練を行い、対象となった木売新田、富新田の両自治会や中学生ら約120人が参加した。
水害による訓練は、大雨により中川の水位が避難判断水位に達し、さらに上昇の恐れがあることから、同市災害対策本部長が「高齢者等避難」を発令したという想定。また、震災訓練は、マグニチュード7・3、震度6弱の地震が発生し、市内全域で電気、ガス、水道などのライフライン被害が発生したという想定で、要配慮者を含む住民が指定緊急避難場所に避難するところから始まった。
これを受けて自治会は、避難所を開錠し、受け付けの準備をして避難所を開設。資機材の運搬、組み立てなど展開訓練をした。校舎内の避難所では、健康な人、要配慮者、体調不良の人のパーティションや段ボールベッドの有無やスペースの説明、見学が行われた。
訓練説明では、能登半島地震で被災地に派遣された職員が避難所での生活について、写真を見せながらトイレの注意点、衛生面の話などの講座を行った。防災設備研修では、スツールトイレ、防災倉庫(写真展示)、EV車、LPガス設備(発動発電機など)の実演などが行われた。
事前に自治会が話し合い、避難スペースの区画整理を行っていたため、参加者は「進行がスムーズで分かりやすかった」と話していた。