ブラウスの色や顔に苦心
「第52回越谷美術協会公募展」(越谷美術協会主催、東武よみうり新聞社など後援)が10月23日から27日まで、越谷市の越谷サンシティ展示ホールで開かれた。出品されたのは協会会員の作品54点、市内在住、在勤の一般公募作品28点の油彩、水彩、日本画など。審査の結果、東武よみうり新聞社賞には同市花田の平井久子さん(79)の油彩「白いブラウスで」が選ばれた。平井さんは「大作を描くために白いブラウスと顔を練習してきた。それが受賞できてうれしい」と話した。これまで審査委員だったが、体調を崩して辞退し、応募した作品だった。
平井さんは、市内の六つの中学校に美術教師として勤務。教職中は忙しく絵筆を執る時間はなかったが、退職時に「これからは絵描き、旅行、植木三昧します」と宣言すると、せきを切ったように静物、風景、人物などを描き始めた。
今回、特にこだわったのは白いブラウスの美しさ。「影を作ると汚くなってしまう。立体感を出しながらどうきれいに出すか」。ブルーやグレーを中心に黄土色や黒を混ぜてボリュームを出した。一方、顔は透き通った肌が出るようグリーンを混ぜた。納得いかず、顔だけで7、8回塗りつぶしては描き直した。そのため喜びもひとしおだ。
今後は「平井頑張ってるなと言われたい」と、来秋、個展を開催するのが目標という。
入賞者は次の通り(敬称略)。
▽越谷美術協会賞=油彩「深秋」小島由美子▽越谷市長賞= 油彩「漁具」鈴木徳元▽越谷市議会議長賞=水彩「旧市庁舎3階から」金田孝▽越谷市教育長賞=クレパス「水鏡」鹿岡加代子▽越谷市文化連盟奨励賞=水彩「初夏」石垣光江▽東武よみうり新聞社賞=油彩「白いブラウスで」平井久子▽クサカベ賞=油彩「夏」山田叔利、水彩「錆びの世界より」小西功▽アーチストスペースF賞=油彩「チェスキークルムロフ」佐野盛太郎▽アドフレーム賞=コラ「変わる心情(過去から未来へ)」関俊一郎▽奨励賞=水彩「林の中の池」坂牧都、水彩「古綾瀬川」橋本健一、水彩「コペンハーゲンの朝」高橋広志