最新のニュース 草加市

草加/草加が「4大皮革産地」に

業界団体 全行程地元完結を評価

 草加市が今年6月、日本で唯一の製革業者による全国団体「日本タンナーズ協会」(中嶋幹夫会長。兵庫県姫路市)から「4大皮革産地」の一つに認定された。これまでは兵庫県、東京都、和歌山県が日本の「3大産地」とされていたが、全工程が地元で完結していることなどが評価された。市が8月26日の市長定例記者会見で発表した。

草加市の4大皮革産地と しての認定を喜ぶ「そう か革職人会」の伊藤会長


 同市の皮革産業は、素材の調達からなめし、染色、加工までの工程を地元で完結している。扱う革の種類も、牛、豚、羊、シカ、ヤギ、爬虫類など多岐にわたっているのが特徴。
 特にここ2、3年は、「草加レザー」や「レザータウン草加」を前面に打ち出し、デザイナーの篠原ともえさんとともに制作したエゾシカ革の着物や、獨協大学生とコラボした若者目線での革製品製作、小学生の卒業記念品など、良質な皮革製造と皮革製品の宣伝、イベント、ワークショップなどさまざまな活動を行っている。こうした取り組みにより〝草加は革の街〟という認知が拡大し、同協会の理事会で評価された。

 「そうか革職人会」の伊藤達雄会長は「これまでの取り組みがようやく認められた」と胸をなで下ろし、「今後も技術や努力など研さんを重ね、世界に向けて草加の皮革産業を発信し、4大皮革産地・草加をPRしていく」と述べた。

 同市の皮革産業は、1935年に皮革工場が初めて開設されて以来、東京・三河島方面から工場が進出してきたのがきっかけ。第2次大戦下では統制品の指定を受け、操業は著しく低下したが、50年の統制解除後は、原皮輸入の増加に伴い活況を取り戻した。次第に羊皮をはじめとする染色工場も増加。靴やかばん、衣料品、ランドセル、運動具など多種多様な商品を生み出し続けている。
 そうか革職人会は2002年に設立され、レザーフェスタなどのイベント、草加市文化会館内の伝統産業展示室「ぱりっせ」での展示、販売など、皮革製品のPRに努めている。