能登地震から半年 関心の薄れに危機感
今年1月の能登半島地震で、県立大(越谷市三野宮。星文彦学長)の学生有志が、「災害福祉学生活動支援ネットワークSAITAMA」を通じて、現地で継続的にボランティア活動を行っている。6月23日には鴻巣市の県防災学習センターで同ネットワーク主催の「活動報告会」が行われ、県立大や立正大、聖学院大の学生ボランティアが活動状況を報告した。「復興には長い時間がかかるが、関東地方では関心がどんどん薄れているのでは」との危機感から企画され、「今後の被災地との関わり」などについて活発な意見交換が行われた。
報告会には48人が参加。県立大からは、社会福祉子ども学科4年の望月真白さんと同学科2年の塚本陽香さんが参加した。学生たちは被害と復興状況を説明した上で、現地での活動報告を行った。2月以降、計34日間にわたり、延べ40人の学生が石川県能登町を中心に活動。家財の片づけや崩れたブロック塀の撤去などのほか、災害ボランティアセンターの運営支援など多岐にわたる活動を行っている。
望月さんは「津波被害が大きかった白丸地区の景色が忘れられない。被災者の方々は温かく迎え入れてくれた。私たちにも何かできることがあるのではという思いで向かったが、実際には支えてもらうことばかりだったように思う」と感想を述べた。
また、グループワークでは、これから復興にどう関わっていけるか、次の震災にどう備えるかなど、学生たちが活動を通じて感じた思いをぶつけ合った。望月さんは「一人暮らしの災害への備え、切迫して求められる支援を終えた後どう支えていくか」というテーマを担当。また、塚本さんは「復興を遂げるとは」のテーマを担当し、「そもそも復興に終わりは存在するのかなどの切り口から話し合うことで、被災地に必要な支援について多方面から考えてみたい」と議論を促した。
報告会を終えて望月さんは「防災や災害支援に関心を持ち、自発的に行動する人がここまでいることがうれしかった。参加者と双方向の関わりを持つことができ、ボランティアに対するハードルを少しでも下げることができたならうれしい」と話した。
報告会に参加した県立大の川田虎男准教授は、「高齢化が進む被災地では、がれきの撤去など学生ら若い力による支援が求められている。県立大の学生にとっても、活動を通して自身の学びにもつながっている。今後もこのような活動が続くことを期待し、応援していきたい」と話していた。