越谷で愛好家団体結成 つながる社会 実現へ活動
越谷市在住のプロ音楽家、松本ひろ実さん、修一さん夫妻が中心となって、9月29日にJR武蔵野線「越谷レイクタウン」駅前の見田方遺跡公園で、猫に特化したイベント「にゃんだふるDay~大きな「猫愛」でつながるプロジェクト~」を開く。猫好きが高じて、仲間たちと猫愛好家の団体「にゃんだふるLife」を結成。イベントを通じて、猫愛を広げ、保護猫を1匹でも多く助けようと準備に奔走している。「人間と猫の共生を楽しみながら参加してほしい」とひろ実さんは話している。
団体代表のひろ実さんはサクソフォン奏者で、「まちかどに音楽を!」プロジェクトのプロデューサーとして、越谷で「ランチタイムコンサート」などを企画。作曲家でピアニストの夫・修一さんと「デュオ ルクレール」としても活躍している。そんなひろ実さんは保護猫7匹を飼う大の愛猫家。結婚した時は猫と一緒に嫁いだ。修一さんは当初、猫が苦手だったが、今では「癒やされている」と話す。
住まいの近くでは以前、野良猫が車にひかれる事故が多発。その度に墓を作ってきた。デュオの曲「月夜と猫のラプソディ」を各地で演奏し、そのCDや猫の絵本、クリアファイルなどを製作し、コンサート会場や同市の観光物産拠点施設「ガーヤちゃんの蔵屋敷」で販売して、売り上げの一部を保護猫団体へ寄付している。猫愛が高じて、松本さん夫妻は昨年9月、猫が縁で知り合った獣医師やペットシッターら8人で団体を結成した。
元々は、「猫自慢の会」で「いつか猫のイベントをやりたい」と話していた。猫の保護活動の記事や保護猫譲渡会の話題を知る度に、その思いは強くなっていた。そんな中、同市国際交流フェスタ参加の話が持ち上がった。
「犬のイベントはたくさんあるけど、猫のはあまりない」。だが、今年2月、東京で行われた「ちよだ猫まつり」は人であふれかえり、「こんなに集まるんだ」と驚いた。猫グッズの多さも見て、「誰かがやってくれれば… …なら自分がやろう」と決心したという。
「にゃんだふるDay」は同フェスタの中で開催。副題の来て・見て・楽しむ「猫助け」の通り、誰もができる「猫助け」を提案する。「人間と猫が互いに支え合いながら生きる社会」を目指し、そのきっかけ作りをしたいという。
内容は、獣医師による猫の飼い方、病気の対処法、ペット防災など初めて猫を飼う時のセミナー、保護猫の譲渡会、猫グッズ中心マルシェ、猫の小物を作るワークショップ、「自分ちの猫自慢」など。「このイベントで越谷だけに留まらず、(猫を)助け合えたら」とひろ実さん。修一さんは「音楽のコミュケーションを取る楽しさと、猫が1匹でも助かったという心のつながりは一緒」と話す。誰かの小さな一歩が結果的に「たくさんの猫助け」になるのが夢だ。