越谷市

越谷/袋いっぱいの梅

収穫体験

枝を振って落ちてきた梅
の実を袋に詰める参加者
枝を振って落ちてきた梅の実を袋に詰める参加者

 梅の名所として知られる越谷市大林の越谷梅林公園で5月31日、梅の実の収穫体験が行われた。同市公園緑地課の主催、同市造園業協会(中村恒見会長)と公園ボランティアの協力で毎年行われている人気イベントで、今年で32回目。約500人の応募者から抽選で100人が選ばれ、収穫を楽しんだ。
 当選した人には1人1枚袋が配られ、梅の実をいっぱいに詰めて持ち帰ることができる。「今日が結婚記念日」という50歳の夫婦は奥さまだけが当選。もらった1枚の袋にご主人と仲良く梅を詰め、「1人しか当たらなかったけど、いい記念日になった」とうれしそうだった。
 山田春翔君(5)、原田紗衣ちゃん(5)はそれぞれ家族で参加。「100個採る」と、造園協会の人が枝を振って梅の実が落ちてきたところにダッシュした。祖父母、母親と参加したライアン君(2)は、袋に詰めた梅の実を重そうに持ち上げていた。
 中田京子さん(80)は、梅を凍らせ、氷砂糖と合せて梅シロップを作り、ジュースや料理に使う。「寝起きに1杯飲む。今は血圧が上がらない」という。川俣恵子さん(74)は梅酢や梅干しを作る。「梅酢を炭酸で割るとおいしい」と話す。森英和さん(80)、増江さん(74)のご夫妻は、梅酢を作って三杯酢で食べる梅と砂糖と酢を入れて寝かせるとコクが出てくるという。80代男性は「ここで採った梅を水洗いした時、プーンと香る匂いは、市販のものにはない」と収穫を楽しんでいた。
 ただ、近年は梅の実が減っている。以前は収穫体験が午前午後の2回行われていたが、梅の木のせん定などが追いつかず、梅の実が少なくなってきたと、公園緑地課の松﨑義之課長は残念そうに話す。今回は午後の部だけの開催で、1㌔・㌘程度入る袋が一つ配布され、量も制限された。それでも「いい思い出になっていただけたらいい。楽しんで帰ってください」と話していた。
 数は少なくなったものの、梅の実を袋に詰め込んだ参加者たちは笑顔いっぱいだった。