園児の動きに四苦八苦 保育士の卵25人
越谷市東越谷の学校法人ワタナベ学園越谷保育専門学校(美入昌男校長)は14日、同校の三つの付属園(越谷、三郷、吉川)と連携して、新入生の実習体験を行った。入学間もない実習生たちは、同市増林の認定こども園越谷さくらの森・越谷保育専門学校附属幼稚園(斉藤ゆかり園長)で、季節行事の田植えの補助、終了後の着替えを手伝うなど、慣れない手つきで奮闘した。
入学後すぐに実施することで、早く子どもと触れ合い、保育者になる意識を高めるのが目的。9月に始まる10日間の実習に備え、5月にプレ実習が行われる。
田んぼに入るのをためらう子、泣き出す子、勝手にはしゃぎまわる子など、3~6歳児の予想もつかない動きに、実習生たちは目を白黒させていた。
「足が思ったより沈む」。保育士に転職予定の石川真澄さん(36)は子どもたちに接し、うれしそうに話した。幅の広い年齢層も同校の特色の一つ。光延芽姫さん(18)と北迫瑠琉さん(18)は「田んぼは思ったより冷たくて、ヌルヌルしている」。3~4歳児を見ていた菅野聖莉奈さん(19)は、泣き出す子どもに「どうしよう」と困り顔。小学校時代に田植え経験のある関口莉緒奈さん(18)は、家族が保育士。山田笑瑠さん(18)は子どもたちの補助に奮闘していた。
「子どもと一緒にやって労働を学ぶ。幼稚園には教科書がない。体験で学ぶのは本校が意識している部分でもある」と同校の元木廉教諭は話す。田んぼ体験は、同幼稚が30年以上行っている季節行事。実習生25人が参加した。実習は2週間に1回、計7回行われ、実習生は実習を振り返ってコメントを入れながら、記録日記をつけて、9月の本格実習に備える。「田植えの労働はすがすがしい。体験を通して子どもたちを学べる」と、元木教諭は目を細めていた。