吉川市

吉川/ダウン症の天才書家活躍追う  吉川で展示会

母と娘 絆描く映画も

ダウン症の天才書家、金澤翔子さん
ダウン症の天才書家、金澤翔子さん

 ダウン症の天才書家として知られる金澤翔子さん(38)の作品展示・即売会が24日午前11時から午後4時まで、吉川市の市民交流センターおあしすで行われる。
 NHK大河ドラマ「平清盛」の題字を担当し、国内外で個展を開くなど、ゆるぎない評価を得ている金澤さんの作品を直接見られる機会となる。入場無料。事前予約不要。
 金澤さんは1985年東京生まれ。間もなくダウン症と診断され、母親の泰子さんは我が子とともに死のうとも考えたこともあったという。5歳の時に、書家の泰子さんに師事して書道を始め、中高校生の時に全国的な書道展で2年連続金賞を受賞するなど実力を発揮し始めた。
 京都の建仁寺に代表作「風神雷神」を奉納し、国宝の俵屋宗達筆「風神雷神図屏びょう風ぶと並んで常設展示され、2020年には東京五輪の公式ポスター制作アーティストとなった。紺綬褒章受章。日本福祉大学客員准教授。文部科学省スペシャルサポート大使。これまでに数百万人が作品を鑑賞しているという。
 この日は、数々の苦難を乗り越え、天賦の才を二人三脚で開花させた金澤さん母娘の絆を描いたドキュメンタリー映画「共に生きる」(宮澤正明監督。昨年6月全国公開)が同センターで再上映される(チケットは完売)。この機会に、本物の金澤翔子さんの書を見て、迫力と美しさに触れてもらおうと、展示販売会が企画された。なお、金澤さん母娘は来場しない。
 実行委員会の山﨑雅美代表は「映画のチケットは完売したが、翔子さんが芸術家として成長していく姿はすばらしい」と絶賛。上映会と展示会の開催を市民団体に働きかけた同市生涯学習課の中村詠子調整幹は「今後、翔子さんの実演、泰子さんの講演、展示の三つをやりたいと実行委員会と話している」という。問い合わせは、吉川市「共に生きる 書家 金澤翔子」上映実行委員会。メールy.tomoniikiru324@gmail.com。